2018年06月20日

「職場での仕事経験」と「子育て経験」の類似性



「職場での仕事経験」と「子育て経験」に類似性が見られるならば、
育児休暇などで職場を離れる数年間も決して無駄ではなく、
しっかりとキャリア形成につながっているのではないだろうか?!

そんな研究をしています。

2018年03月22日(木)~2018年03月25日(日)に、
マーケットリサーチ会社に委託して、
子どもがいる人500人分のサンプルをランダムに集めました。
その調査データを現在、分析しているところです。

その一つとして、導き出せたのは、子育て経験の中にも、
職場での仕事経験に通じる事柄があるということです。




東京大学の中原淳教授が行う研究で使用された、
能力開発につながる6因子を用いて、
「仕事」と「子育て」、それぞれの因子ごとの相関関係を表したものが上図のものです。


上図から分かることは、

・「業務能力向上」 0.62
・「部門間調整力向上」 0.79
・「視野拡大」 0.51
・「メンタルタフネス向上」 0.69

などが相関値が高く、仕事でも得られるし、子育てでも得られるものであるということです。
「業務能力向上」は第1因子であり、いろいろな要素が組み合わせっていることから
別に考えるとして、「部門間調整力」や「メンタルタフネル」は、子育てでも仕事でも
ともに経験を通じて高められる能力開発因子であるということです。

またここでは紹介しませんが、別に行った重回帰分析では、
「視野拡大」が、ビジネススキル、とりわけマネジャーに必要とされる
「コンセプチュアルスキル」の獲得に有意に影響を与えていることも分かりました。
逆に職場での「視野拡大」は、ビジネススキル獲得と有意な関係ではないことも
明らかになりました。


すなわち、「能力開発」にあっては、
子育てによる「他者(家族や関係者)との調整力」の向上や、
「メンタル耐性」の向上は、職場での仕事経験と共通性・類似性があること、
そして子育てによる「視野拡大」は有意に、コンセプチュアルスキル獲得に
つながっているということです。


育児のために保育所に預けてしっかり働くことでキャリアの断絶を防ぐ
ことも大切な考え方ですが、しっかりと子育てに取り組むことでも
キャリアの断絶を防ぐ事ができるのではないかと思います。
これはあくでも職場の理解あってのことだと思いますが。

また男性の育児・家事参画の意義付けにおいても
大変重要なポイントだと考えます。
つまり子育てにしっかり取り組むことで、
マネジャーに必要とされる素養を磨くことができるということです。


いろいろと調査結果の分析を進めており、
適宜、ブログでも紹介はしていきたいと思います。


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Posted by 藤井哲也 at 13:16Comments(0)子育てによる実践知獲得

2018年06月18日

子育て(育児)や自治会・PTAなどの社会的活動はビジネススキル獲得につながっているのか?



従来の研究では正社員での就労経験、
特に管理職の経験はビジネススキルの獲得に
大きく影響を与えていると考えられてきました。
(ワグナーやスタンバーグの研究など)

また、学校を卒業して最初の数年間の頑張り具合が、
キャリア初期のビジネススキル基盤形成にも
大きく繋がっていることも実証的に明らかになっています。
(佐藤博樹教授の研究など)

さらに非正社員のキャリア形成には、
一貫性がないものの、総じて人材育成機会や、
与えられる仕事の質が正社員と異なることから、
差があることが分かっています。


そして今回、私が研究論文で明らかにしたように、
正社員の就労経験年数は、ビジネススキル獲得に有意に
つながっている(テクニカルスキルとコンセプチュアルスキル)
ということと、
非正社員の就労経験年数は、ビジネススキルの獲得には
有意な関係が見られなかったこと(因果関係が見られない)が
分かってきました。


1993年以降とされるポスト就職氷河期にあっては、
正社員になりたくともなれず、非正社員として年数を重ね、
いつのまにか30歳代を迎えた人も多くいます。
非正社員のキャリア形成機会、ビジネススキル獲得機会が
限定的であることを考えると、
こうした就職氷河期時代に就職した世代、
そして就職氷河期とは関係なく、
新人であっても非正社員という働きスタイルが
一般的になってきた昨今、30歳代後半から40歳代前半という
アラフォー世代にとって、非正社員と正社員との間には
大きな壁が生じていることになっています。

実際、アラフォー世代の人にとって、これまで派遣社員や
契約社員で主に働いてきた方は、いま労働売り手市場であるものの
正社員転換は思ったように進んでいません。
これは買い手(企業)にとって、
これまで非正社員経験が主だった求職者への評価がどうしても
低くなってしまっているからです。
それは非正社員としてマネジメントスキルを身に付けてこなかっただろう、
または営業職や事務職として専門的な知識や経験を積んでこなかっただろう
という固定的観念があるからだろうと思います。

私がいま取り組みたいのは、そうした固定的観念の打破に他なりません。

私の研究で取り組んだのは、「子育て・育児」の経験も、
ビジネス経験との間で代替性があるのではないか、
自治会やPTAの活動も、ビジネススキルの獲得につながっているのではないか、
もしつながっているのであれば、そうした経験を積んできた方々にとって、
たとえ正社員としての就労経験が少なくとも、
あらためてキャリア形成の道が開く事ができるのではないかと考えてました。

実際には、そうした非ビジネスの経験も、ビジネスに生かすことができる
スキルの獲得につながっていることが明らかになったことから、
就労支援や公共政策に大いに活用することができるものと考えています。

現在、さらに深く、「どのような育児経験」が「どのようなビジネススキルの獲得」
につながっているのかを調査分析しているところで、
あわせて「育児とビジネスにおける類似的に獲得できるスキル」について、
研究を深めています。

こうしたことが分かることで、非正社員経験が長い方の正社員登用の際の
見極めのポイントを提示できることや、非正社員経験が長かった方に対して、
どのような経験を積めばビジネススキルを獲得して正社員就労に結びつける
ことができるのかを明示することができるものと考えています。


仕事と学びに関する研究を、これからのパシオは進めていこうと考えています。
理念、「若者が情熱を持ってイキイキと働ける社会づくりに貢献する」は、
時代と共に変えていくタイミングであるのかもしれません。
若者はもちろん、1990年代半ば以降に就職した現在のアラフォー世代までも
包含した、ポスト就職氷河期世代に対して、「イキイキと楽しむことができる社会」を
目指した取り組みへとステップアップをしていこうと考えています。

             

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Posted by 藤井哲也 at 17:17Comments(0)子育てによる実践知獲得

2018年04月02日

大学院研究論文を東洋経済に取り上げて頂きました!






京都大学公共政策大学院で執筆した、卒業研究論文を、
東洋経済新報(オンライン版)で取り上げて頂きました!!

東洋経済オンラインのページはこちら
私の卒業研究論文はこちら



タイトルは、「非正規労働者に欠けているものとは何なのか」ということで
もしかしたら、非正規労働者をバッシングしているように
受け取られるかもしれませんが、そうではなく、
非正規社員がどうすれば、よりよい人生、キャリアを
歩むことができるのかというものです。
(タイトルは編集者が作成、文章はライターさんが執筆されました)

もしよければ、ぜひ一度、ご覧くださいませ。
宜しくお願い致します。


なお、今回の研究論文のもっとも重要な分析結果は以下のものです。




重回帰分析により、各要素が、影響を与えているのかを
分析したものです。
結果的には、正社員経験は影響を与えており、
非正規社員は与えておらず、
子育てや自治会、PTA活動は影響を与えているということが
わかりました。


情熱を胸にICON179














  


Posted by 藤井哲也 at 19:00Comments(0)情熱(私の思い)

2018年04月01日

京都大学公共政策大学院を卒業しました!


 






京都大学公共政策大学院を卒業しました
会社経営と議員活動と両立しながらは結構大変でしたが、
卒業できたのも、普段からお世話になっている皆様のおかげです。
ありがとうございます。

2年間の学びの中で、データ分析力やロジカルシンキング、
クリティカルシンキング等を大きく高める事ができ、
雇用対策を中心に公共政策に普段関わる者として、
得られた知見を今後仕事に生かしていかねばならないと、
思いを新たにしています。

研究論文として取り組んだのは、やはり雇用問題。
非正規労働者にとって、どのような活動をすれば、
キャリアアップにつながるのかを研究しました。

前提として研究した、正規社員と非正規社員の間には、
就労を通じて得られる経験の質の差、能力形成の質の差が
あることが分かりました。

その上で、どうすればいいのかを考えて、ひとつの仮説として
分析対象としたのが、「子育て」や「自治会・PTA活動」です。

仕事以外の社会経験は、キャリア論の中では一般的に除外されて
います。つまり仕事で役立つ能力は、仕事(特にOJT)を通じて主に
形成されるという考えです。これが一般的な考えです。

しかしながら、そうではないのではないか??
実際に私自身も子育てや、地域活動を通じて、様々な経験を積むことが
できており、それが仕事にもつかえるのではないかと考えるように
なってきました。

もしこの仮説が正しいのであれば、産休・育休で女性のキャリアは中断する
のではなく、新たな能力形成につながる絶好の機会として捉えられるのでは
ないか、自治会やPTA活動は、生産性がないから、そんなのをやるくらい
なら仕事に没頭したいという通説に対して、そうではないということが
言えるようになると考えます。

研究論文はネット上にアップしています。(こちら


これからは、こうした研究活動も並行して行っていき、
「子育て」や「自治会・PTA活動」が、ビジネススキルの獲得に
つながっていることを、実証していくことにも
取り組んでいこうと考えています。


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Posted by 藤井哲也 at 13:35Comments(0)情熱(私の思い)

2018年02月05日

社会福祉法人経営者協議会で講演。


 先日は、リテンション(人材定着)に関して、

 社会福祉法人経営者協議会様で120分程度の講演の機会を頂きました。

 大変みなさま、熱心に聞いて頂き、質疑もたくさん頂戴しました。

 社会福祉法人は介護施設や保育施設を運営していることが多いですが、

 やはり人材採用難です。好景気の現在は、特にその傾向が顕著で、

 いまいる人材の確保が重要な課題となっておられます。

 少しでも講演が役に立てたとしたら幸いです。

 以下、講演に使用したパワーポイント(40枚程度)の1部です。












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