2009年05月06日
中国人のリテンション
リテンションに関する事業を行っていますと、様々な方面から
お問い合わせやご相談を頂くことがあります。
最近でしたら、均衡縮小のためリストラをしている企業様から
リストラ実施後に必要不可欠な人材までもが退職してしまったという
ケースや、雇用安定助成金を受給しつつ、休業や教育訓練をしつつ、
労働者の雇用を維持している企業様から、従業員のモチベーションが
低下し続けていてこのままでは退職するものが出てくるのではないかという
不安や、M&Aを考えている企業様から、統合後に実質吸収された
会社の従業員が一斉退職してしますのではないかという不安から
そのリテンション対策について問い合わせを頂いたり、といった具合です。
好況期における 本来のwar for talent から生じるリテンション問題とは
異なり、経済状況の悪化に伴う組織改変の動きからリテンションの必要性が
生じているようです。
こうした暗い側面ばかり見ているので、なんとなく鬱になってきますが、
なかには面白い案件もあります。そうしたものの一つに中国における
リテンションです。
中国人の流動性が高いというのは知られていますが、日本人と同様の
理由でやめていくのでしょうか。中国人はハングリーであるため、
より功利的であるといわれていますが、確かにそういった側面は否定できない
と思います。
またもう一つ、海外に進出している日系企業に勤める外国人のリテンション
があります。特に最近よく聞くのが、中国人です。
日本企業が中国に行ったところで、もともとブランド力が欧米系企業に比較して
低い中、リクルーティングには余分なコストと労力が必要となりますし、
採用できるタレントの質も欧米系企業と比べれば相対的に低くなってしまいます。
その上、せっかく採用してもある程度スキルが向上すれば、欧米系企業に
転職してしまうという状況がここ数年続いている状態で、日系企業は完全に
スキルアップのための踏み台にされているということらしいです。
中国人の気持ちや心理はわからないのであまりそれっぽいことは
述べられませんが、やはり同じ人間だと思うので、それほど日本人と
かけ離れているというわけでもないと考えています。
それよりも中国人に選ばれない日本企業の危なさの方が修正すべき
ポイントに思えますし、先日ある方とお話していた時に話題になったのですが、
日系企業の現地役員の人事制度は現地法人のそれが適用されるわけではなく
あくまでも日本本国の人事制度が適用されるため、現地に赴任した
役員が見ているのはパフォーマンスの向上よりも、いかに本国に対して
いい顔を見せられるのかという部分が大きいようです。そしてそれを見た
現地採用の中間管理職はこの組織に未来がないと感じて去り、それが現場にまで
いきわたっている結果、日系企業の従業員定着率は非常に低いものとなっている
ということでした。
現在、大手企業様から中堅企業、ベンチャー企業と幅広く、リテンションに対する
ご提案をさせていただいておりますが、将来的にはこの分野のコンサルティングは
グローバルに展開可能だと思っています。
まずは日本国内でリテンションを普及させて、その上でその先のことは考えて
いきたいと思いますが、これからが実に楽しみです。
情熱を胸に
Posted by 藤井哲也 at 13:50│Comments(0)
│情熱(私の思い)
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