2007年08月07日

1999年3月21日の日記(4)


雪が積もっていなかったらこれほどまでにも苦労はしなかったかもしれない。

足を滑らせて崖の下に落ちていきそうになることも数度ある。

ロッククライミングのような感じである。

まさに第八十八番の前に立ちふさがる最後の要衝といった感じである。


「死」の存在を感じた。「神」の存在を感じた。


そこから「自分」という存在を知り、すべての観念は止揚されて自分はそれらを

乗り越えることができる。


白い雪は赤い血の妄想で塗りたくられて、青い空と同質の存在となって

純化されていく。


杖の存在は不要となっていた。自らの足だけが頼りであったし、運命だけが

頼りであった。そこにニンゲンの存在できるだけの余地は残されておらず、

ひたすらに祈りに満ちた自然の草木の鼓動が波打っている。


                                情熱を胸にICON179
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