2017年10月13日

非正規雇用のキャリア形成(小杉礼子、原ひろみ,2011)


備忘録

p28


p29-30


 2002年までに比べて2003年以降の方が移行者比率は高く、とりわけ20歳代後半の移行率が高まっていることが分かる。男女に分けて、同様に2003年の前後での変化をみると男女とも同様の傾向を示した。2002年から2007年にかけて20歳代後半の移行率が高まったことは先行研究(労働施策研究・研修機構2009=「若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状-平成19年版「就業構造基本調査」特別集計より」)での指摘とも一致している。

p64


p72
 以上まとめると、標準的な正社員型キャリアとの対比では、総じて男性や大学以上の段階の学校に通った経験があることが「正社員優勢」になることにプラスの効果を持ち、中卒や学校中退していることはマイナスの効果を持っていることが明らかになった。一方でこれらの属性的な要因をコントロールしたとしても、離学した時期が「正社員優勢」以外のクラスターへのなりやすさと関連していることも明らかになった。すなわち同じ属性を持った個人だったとしても90年代前半までの比較的好景気の時期に離学したのか、それとも不況に突入した1990年代半ば以降に離学したのかによって正社員型のキャリアを歩みやすいのかそれとも非正規を中心としたキャリアを歩みやすいのかが異なってしまうことを意味する。
 また非正規型初期キャリアクラスターを比較した結果からは三つのキャリアクラスターを分化させる要因は多くはなく、離学した時期も影響を及ぼしていないことが示された。そのなかでは、男性や大学・大学院に通ったことがあることは正社員への移動にプラスに働く一方で、学校を中退することは正社員として働き始めることを阻害し、非正規を織り交ぜた初期キャリアの形成を促進する可能性が示唆された。

p76
 社会人になってから教育機関に戻るリカレント教育が注目されて久しいが、多くの人は教育機関を一度離れた後に、再度教育機関に戻ることはしていない。
 その意味では、教育(や訓練)と就労の間を行きつ戻りつする形での「ヨーヨー型」の移行は日本ではほとんど生じていないと考えられる。




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Posted by 藤井哲也 at 10:05│Comments(0)書籍備忘録
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