2018年07月11日

重回帰分析による「子育てによる成長実感」の検証(1)



1部上場マーケティング調査会社に委託して行った、
「子育て経験がどのようなビジネススキル獲得につながっているのか?」
というアンケート調査について、欠損値等を除外して、
502件のサンプルを得ることができました。
アンケート調査期間は、本年3月下旬です。

仕事のスキルを定量化することは永遠の課題ですが、
今回は中原淳先生を中心とした研究チームが、「職場学習論」等で
用いておられる、能力向上に関する因子分析結果に基づいて
まとめられた6つの指標を、使わせて頂きました。

6つの能力開発に関する要素は次の通りです。
●業務能力向上
●他部門理解の促進
●部門間調整能力
●視野拡大
●自己理解の促進
●メンタルタフネスの向上

以上6つの能力開発要素の詳細については、
「職場学習論~仕事の学びを科学する~」(東京大学出版、中原)
をご覧になってください。


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【重回帰分析(OLS推定)結果】




従属変数は6つの能力開発因子とし、
独立変数は「子育て年数」と「夫婦間の子育て役割分担」、
統制変数として、「性別」、「批判的思考力」、「仕事による同因子の向上」
のほか、「就労年数」や3つの実践知を設定しました。

ちなみに「子育て年数」については、
1: 0年~2年 (116件)
2: 3年~5年 (132件)
3: 6年~10年 (127件)
4: 11年以上 (127件) というように4ランクに分類しました。

また「夫婦間の子育て役割分担」は、
アンケートで「家族内における子育て分担の割合」を
5段階で聞いたものです。
1が最もアンケート回答者の負担が重たく、5が最も負担が小さい
(1は配偶者などの負担が軽く、5は配偶者等の負担が重たい)
というものです。

また性別が大きく影響しているのではないか、能力開発の実感には
仕事による成長実感も相乗効果として影響しているのではないかと
考え、統制変数に必要と思われるものを加えています。


結果を見ると、「子育て年数(量)」よりも、「子育てに関わる役割(質)」
が、子育てによる成長実感に影響を有意に影響を与えていることが
分かります。

また以外にも性別はあまり関係しませんでした。
そして「批判的思考力」も大きく影響を敢えていることも分かりました。

さらにもう一つ。
仕事で成長実感を持っている人は、子育てでも成長実感を抱いていることです。
つまり、ここらへんはパーソナリティに関わるのかもしれませんが、
「何に対しても前向きに経験を積もう」、「得た経験を活かしていこう」と
考えている人は、結局、仕事であっても、子育てであっても、または
違う職場外の経験であったとしても、それらを成長の材料として
位置付けているのではないかと思われます。

もしくは、「子育て経験」と、「仕事における経験」の相乗効果が
見られるのかもしれません。この点は別の分析を行いたいと思います。


いずれにしても、「子育て年数」はそれほど有意な関係が
見られないということは、漠然と子育てに関わっていたり、
または「家族任せ、配偶者まかせ」にしていれば、結局、
子育てによる成長実感は得られないということです。
これは仕事にも当てはまることで、まさにその通りでしょう。



長くなってきましたので、記事を改めて続きを書いていきます。


情熱を胸にICON179














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