2018年07月15日

重回帰分析による「子育てによる成長実感」の検証(2)



重回帰分析による「子育てによる成長実感」の検証(2)


前記事でも掲載した、「能力向上実感」に対して、「子育て年数」や
「家庭内の役割分担」が、影響を与えているかの分析結果です。

改めて振り返ると、子育て年数は影響を有意に与えておらず、
対して、子育てによりコミットするほど職務能力の向上にも
つながっていると実感している結果でした。


仕事経験が職務能力の向上につながっていることは、
これまでの先行研究の多くで分かっていますし、
私自身が大学院の研究で行った雇用形態別のビジネススキル獲得
に関する研究でも、「正社員としての就労年数」が
スキル向上に有意に影響を与えていることが分かりました。
(非正規社員としての就労には有意な関係性が見られませんでした)
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今回、調査を行った同じデータを用いて、仕事による成長実感は
家庭内役割分担や、子育て年数、就労年数は影響を与えているのかを
しらべてみました。

重回帰分析による「子育てによる成長実感」の検証(2)

結果は、「仕事による成長実感」には、子育て経験はそんなに有意な
関係が見られないということです。

これも想定通り(仮説通り)で、仕事による成長は、「仕事の質」や、
その人の「挑戦性」や「柔軟性」、「批判的思考力」が影響を与えていると
考えていいでしょう。


ここまで見てきたように、ポスト就職氷河期(1993年以降)の
働くパパママにとって、家庭内でしっかりと子育てに取り組めば取り組むほど
段取り力が上ったり、効率的な仕事の進め方ができたり、
他部門(他者)理解、メンタルタフネスを鍛えることに繋がっていると言えます。

また今後検証が必要な事柄として、
「子育てによる成長実感」を感じている人は、「仕事による成長実感」も
感じていることから、どのように時間を過ごしたいのか、という意識が
能力向上につながっているとも言えるのかもしれません。

何事も、前向きに、主体的に取り組むことが能力向上につながるのだと
思います。余暇も子育てもレクリエーションではなく、「リ・クリエーション」の
意識を持ちながら、過ごしていいきたいと私自身も考えています。


情熱を胸にICON179










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