2010年08月21日

新卒支援の必要性




■ 2010年春の大卒就職率は60.8%(前年度比▲7.6ポイント)
■ 就職も進学もしなかった人は約8万7000人(うち就職留年は約1万8000人)




うーーーん・・・だ。


確かに新卒でフリーターになれば、その先の人生はまっくらなのが
正直なところだと思う。中には海外放浪の旅に出かけたり、
起業準備をしたり、新卒就職という固定観念に捉われず、行動をする
人もいる。私のすぐ身の回りにもそういう人は結構いる。
私はそうした人がドンドン出てきて欲しいと願っているし応援、支援も
したいと思っている。


反面、企業経営者側から見れば、就職できない人(しない人ではなく)は、
就職できなくべくして就職できていないと感じる。

つまり、大学卒業段階で、企業の採用基準や社会人としてもっているべき
最低限度の知識水準を持っていないがために、採用されない(就職できない)
ということである。

大卒就職率が約60%であるということだが、私にとってはなんら
驚くべき数字ではない。実際、感覚的にはそのくらい(4割くらい)の学生は
採用されるべき水準に達していないのだ。

新卒一括採用が標準的だったつい10年かもうちょっと前までなら、
将来を期待・嘱望されて、青田買い、投資買いをされていた若者も、
特に中小企業の景況感の厳しさによって極端に採用枠が減ってきている。
もはや、企業は「新卒(学生」が欲しいのではなく、「できるビジネスマン」が
欲しいのである。新卒だからと言って、優遇されるいわゆる新卒一括採用の
時代は終焉を迎えつつある。


日本の大学卒での就職6割はまだましなようだ。
欧米ならば10%、20%というのもざららしい
当たり前といえば当たり前だ。社会人経験を踏んで、すでに社会で
活躍している人と、ほとんど何も経験していない学生とならば、
どちらを採用するか?当たり前の如く、ある程度、戦力度合いを
期待できる社会経験を持っている人だろう。


政府は、追加経済対策として、新卒支援をひとつの重点施策に
おきたいと考えているそうだ。

当然支援することはいいことだ。やらないよりも絶対にやったほうがいい。



ただし、一つの数字をみれば、新卒支援の無意味さがわかってくる。

■ 大手企業の有効求人倍率 0.47倍くらい
■ 中小企業の有効求人倍率 4.41倍くらい





つまり、新卒は企業規模や仕事内容を選んでいるのだ。

就職を是が非でもしたいのではなく、自分の「やりたい」(できるかは別)
シゴトができるかという視点で選んでいる。
マクロで見てもそうだし、私の身の回りでもそうだ。
(今年卒業して就職できなかった既卒者の職業実習型支援の制度が
 あるが、元学生の中には、国税を使って生活できている、職業能力の
 開発機会を得ているという自覚なく、のほほんと生産性なくシゴトを
 している人が多い。そして嫌な仕事を任されれば途中ですぐにリタイア
 してしまうのだ)


どのような新卒支援をやるのだろうか?

 ・中小企業に新卒を就職させるべく、情報を収集する?
 ・新卒未就職者のインターンを拡充させる?

おそらくそんなところだろう。
残念ながら無策だ。無策すぎる。


できる学生は就職できる。できない学生は就職できない。
これは摂理であり、当たり前である。
需要がないから就職できないだけだ。


これを解決するためには、
・需要を増やす(新規雇用を創出する)⇒つまり産業活性
・需要あるところに供給する⇒つまり、中小企業に学生の興味を持たせる
 (しかしながら1人の学生に4件の求人があるにもかかわらず就職をしない
 現状では来年すぐに解決するのは難しい)

ということだ。
周辺の雇用対策はいろいろと考えられるが、シンプルに考えて、
新卒支援ですぐに効果を発揮するならば上記2案である。
一番簡単なのは、産業活性化であり、これが結局のところ雇用対策につながる。

あとは来年も再来年もおそらく新卒採用の状況はそんなにかわらないだろうから、
いまのうちから、職業能力(採用される最低限の水準)を持たせるべく、
文科省と協力して、ビジネス教育を促進していく必要がある。



ムダなことにはカネ(1兆7000億?)を使わないでおいて欲しい。
怒りに震えてくる昨今だ。


                                情熱を胸にICON179








Posted by 藤井哲也 at 12:45│Comments(0)情熱(私の思い)
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