「増資は攻撃続行と同じだし、他業種は戦線拡大を意味するな。しかし、攻撃
を考える前に防御を考えなきゃならん。これは軍事戦略の基本だからな。
これを無視して日本は失敗した。防御がいくら万全でも、さらに考えなければ
ならないのが退却だ。物事がうまくいっているときには、誰も退却のことなど
考えない。しかし、戦闘ではいつ何時流れがかわるかわからない。そのとき
退却を考えていない軍は惨めな敗北を味わう。その典型的な例が、ヒットラーで
あり、ナポレオンだった。・・・・・・・・・・・・・・・・最高の防御は最高の攻撃につな
がるというのがあらゆる戦略の基礎なんだ」
「中尉の目が大きく見開かれた。食い入るようにその写真を見つめていた。そして
全身の力を振り絞るかのような声で言った。『純子、お父さんは・・・』そこまで
言うと中尉は目を閉じた。その目は再び開かれなかった。」
「シベリアで生き抜いてきた自分にしてみれば、これからの人生で直面する
困難などなんでもない。再び中尉の笑顔が浮かんだ。『中尉殿、わしは
やりますぞな。中尉殿に誓ったとおり、わしは日本一の経営者になります
んじゃ。どうか見守ってつかあさい』」
この小説に出てくる主人公は実在の人物 坪内寿夫をモチーフにしていると
いわれています。熱きこの本から感じるパッションは読むたびに私を奮い立たせて
くれます。情熱的でかつ闘争心あふれるそんな生き方をしたいと感じるのです。
情熱を胸に