ワークライフバランスという言葉について、その罪。

藤井哲也

2008年05月18日 16:08

ワークライフバランスという言葉が流行っていますが、

リテンションマネジメントの考え方からしても、離職要因の

大きなカテゴリー6つのうちの一つに数えているように

生活と仕事のバランスは大切に思います。


しかしながらいろいろと考えると違和感も感じます。

もともとワーク自体がライフに内包されるものである以上、

バランスをとることは人事施策ではなく、個人の考え方

に依拠するものであること。

その考え方が広がりを見せる中で、近年の就職環境の

好転とも相まって、福利厚生や休日休暇ばかり気にする

求職者を助長し、本来の仕事自体の面白さややりがいと

いった視点をぼかしてきていること。そしてその風潮を

ワークライフバランス施策をとることこそが若者の採用や

離職対策にとって非常に重要であるとマスコミや人事コンサルタントが

喧伝していることです。



はたしてそうなのでしょうか?



消費を拡大させたい、出生率を高めるための国家施策とは

別のところ、もしくはリストラクチャリングの考え方から出てきたもの

だと思いますが、そうしたものがある種 企業にとって

必要条件のように言われるようになってきているのは問題の

ように思います。ワークライフバランスの考え方、人生を仕事に

束縛されるのではなく、仕事が人生における自己実現の手段として

とらえらるべきだと思います。


仕事と生活が全く別物と捉えてしまうその風潮は、現場の

採用活動をひどく圧迫している、大手企業ばかりに人が流れて

しまう原因になっているように思います。


                           情熱を胸に

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