2008年05月07日

リテンション戦略の導入について

リテンションという人事マネジメント用語が普及してきたように思います。

2004年初頭に海外の文献を読み漁っている中で、出会ったこの言葉を

世の中に広く紹介したのはきっと弊社パシオです。


リテンションという意味についてはいまさら不要かと思いますが、

つまりは「優秀な人材がいかにすれば辞めないようになるのか」を

人事施策として取組み、そして経営者と人事マネージャーが中心となって

取り組むことが、「リテンションマネジメント」であり、そうした支援をする

人のサービスが「リテンションコンサルティング」です。リテンションの

基本的な考え方としては、会社の経営を健全に運営するためのもので

あり、決して離職率を低くすることがも最大の目標ではありませんし、

離職したい人を引き止めることが目標でもありません。社会全体から

見てみて、リテンションの意義は、辞めさせないことではなく、

辞めようと思わない組織作りにあり、社会的な生産性を向上させ、

社会を豊かにしていく、そして早期離職を少なくすることによって、

社会格差を縮めていくことです。



どのようにすれば離職率を減らすことができるのでしょうか?

というといあわせも頂くことがありますが、何のために離職率を

減らすのかということがはっきりしていない会社も多いように思います。

内部統制のためであったり、離職コストが採用コストを上回っている

ということであったりということもありますしそれはそれで対策を

とっていくべきことだと思います。



リテンションの最善の方法は、辞めない人材を採用することであり、

これは旧来からある分野の一つです。あたるあたらないは別として

世の中には多くの適職診断のツールがあふれていますし、適性テスト

の類も多くあります。当社が開発したRMS(リテンションマネジメント

サーベイ)もその一つであり、ズバリその人材が採用されたあとの

離職可能性を10段階で評価するものです。辞めない人材を採用する

ことは古くから使われきた言葉で換言するならば、「ベストマッチング」で

あり、ミスマッチを減らすということです。キャリア形成が多くの教育

機関でされている割には、明確な人生観を持って就職活動を

している人は少ないように思います。志向は変わるものであり、

それは入社後早々に経験するものです。そうした観点からマッチングを

図るならば、きっとミスマッチが生じてしまいます。これは教育の問題で

もあり、採用する側にとってもある種盲目的に信じ込んでいるマッチング

テスト神話によるものです。トライアンフの樋口社長が出されている

本を拝見してこれも昔から言われているもだと思いますが「コンピテンシー採用」

についても、こうしたインタビューができる企業というものは限られたもので

あり、中小企業のおっちゃんがそうしたことができるとは思えません。


リテンションの第2段階目は、やはり上司のフォローの資質だと思います。

そして第3段階目は、組織としてその会社が人を育てる仕組みがあり、

それは会社の成長につながり、かつ社会の方向性とも合致しているかどうか

というポイントです。



人が辞めることは一つの決定であり、捨てるリスクを決定することです。

たとえば今日、スーパーに行って200円の野菜を買わず、150円の野菜を

買うというのは正の決断としては150円のものを買ったということであり、

負の決断としては200円のものを買わ“なかった”という決断です。

断念するということも一つの意思決定の過程であるからには、それはきっと

科学的に解き明かすことができるものだと思いますし、当社パシオでは

長らくその研究をし続けていて、適宜商品開発としてリリースしています。




リテンションがなぜ必要なのか今一度考え、単なる離職率を引き下がるため

だけのものであり短期的な目的のものであるならば、きっとそれは効果が

あがらないでしょう。これから生き残る会社というものは、仕組みとして

リテンション戦略を持っており、それが会社と社員一人一人双方にとって

必要不可欠なものであると考えているところである。



時は動き、人も動く。無理に定着させることは無理である。

リテンションは定着させることではなく、体内に流れる血液のように

いかに円滑に組織の中でactiveに動けるようにするのかである。


この視点なくして、リテンションは ないと思う。


                              情熱を胸にICON179



この記事へのコメント
リテンションという言葉があるのかー

よく分からんけど。
オレは人が流動しても磐石な仕組みが最初だと思うんだけどなぁー。

飛びぬけて有能の奴は勝手に飛び出してしまうし、
できない奴には出て行って欲しいし・・・

気が弱いから、
辞めてくれて、正直、言えないんだけど(笑)

結局のところ、
平均して自分以下のスタッフでどうにかするしかないんだよね。

そんな中で会社を「うp」させるには、
自分を磨くか、あるいは現状に満足するか、
そんなところなんだよね。

便利な奴が辞めないのは、
オレにとって都合はいいけど、
そいつにとって幸福なのかはよく分からん。

いろんなところに逝って経験を積むことが、
そいつの人生に幸運をもたらすことも無きにしも有らずだからね。

まぁ、トップを今よりも魅力あるように教育できれば
自然にリテンションの率ってたかまるんじゃないのかなぁ~(笑)

可能ならの話で、難しいとは思うけど。

だって、この人についていくと得すると思えれば、
普通の奴なら辞めないんじゃない?
Posted by オーナー社長 at 2008年05月09日 23:37
まさにそのとおりだと思います。

やはり人ってすごく大切ですよね。

                情熱を胸に
Posted by ころすけ at 2008年06月05日 20:27
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