2008年07月15日

「米国企業に学ぶことなどない」


NBonline(日経ビジネス オンライン)で面白い記事を見つけました。

スタンフォード大学経営大学院のチャールズ・オライリー教授による

「米国企業に学ぶことはない」という記事です。


オライリー教授は、米国企業に学ぶことなどないと刺激的なことを言っていますが、

「日本企業の多くは今、従業員の会社に対する忠誠心や愛着が薄れるという問題に

直面しているそうですね。こうした状態を改善するにはどうしたらいいのでしょうか?」と問い、

① 将来の経営幹部を育てる

② 社外から探す

の2つを選択肢にあげています。

そして①は必ずしも忠誠心をもってくれるとは限らないため、②が重要であると

述べています。そしてその前提として「しっかりと人事制度を作る必要」があると

言っています。その人事制度とは「相互に補完し合う一連の人事制度」なのです。



つまりは成果主義人事制度がいいからといってみようみまねで取り入れた結果、

散々たる状態に現在の日本企業はなっているし、これを見直す動きがあるが、

新しい方向性もまだ見えてきていない。

ずばり「日本企業で社員の会社に対する忠誠心や愛着が薄れてきている背景には

恐らく米国流になりすぎてしまったことがある」のではないかと言っています。



リテンションの本質について、書かれていますが、

「特定の人事制度ではなく、一連の人事制度の組み合わせを検討する必要があります。

 それも、短期的な視点ではなく長期的な視点」

「戦略を成功させるのに適した人事制度の組み合わせを設計すべきなのです。

 ここで言う人事制度には、評価だけではなく、インセンティブ(動機付け)や仕事の設計

 など一連の制度が含まれます」

ということであり、そして人事は人事マンになることなく、戦略的視点から

考えていかねばならないとも書かれています。


評価制度を見直せばいい、メンタルマネジメントを強化した方がいい、

新入社員のOJT教育を見直すべき、ワークライフバランスに取り組みべき、

そうしたすべてのリテンション施策はすべて正解であり、すべて正反対の

効果さえもってしまいます。絶対的に効果が出るリテンション施策は

存在せず、それはリテンションに効果を及ぼす要素の

離職危険性指標を引き下げる(または引き上げる)施策にすぎません。


あるリテンション施策をとったところで期待する効果が出るかは

結局のところその企業次第です。



どのように現状を把握し、どのような経営戦略を持ち、どのような人材に

残ってもらいたいのかを明確にした上で、そうした人材のリテンションのために

何が必要であり、何が不足しているのか、何を継続し、あらたに何を施策として

取り組んでいかねばならないのかを考えていくのがこれからの人事の役割であり、

それを支援するのがパシオの役割です。



                              情熱を胸にICON179







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