2008年11月07日

離職の概念図

いまさらながらまとめるのもおかしいが離職が起きる背景と

その要因についてまとめておきたいと思う。

「早期離職」と「離職」は別の問題であり、

早期離職の主な要因は採用活動および就職活動における

相互の認識不一致によるミスマッチであるが、当然それ以外にも

さまざまな要因が絡み合っている。もちろんその中には

成果主義型人事評価制度の導入過程における上司と部下との

関係希薄化による現場のメンタルサポート体制の後退や

即戦力化を求める社会風潮の拡大などもある。


また離職においての主原因は簡単にいえば、

組織が重視していることと社員が重視していることの不一致が

あるが、早期離職、離職ともに組織側の要因だけではなく、

社会的要因(外部要因)も大いに影響を与えている。


社会的要因の主なものはインターネットの普及や、

景気の浮沈みによる有効求人倍率の変動、

経営の効率化によるコア社員への労働負荷集約などが

ある。


離職の概念図

原因と結果があるからには、多くの組織が抱えている

離職要因(組織内離職要因)の多くは、社会的要因(外的離職要因)に

起因している。なぜ組織内で離職要因が発生するのかといえば、

社会変化によって生じた外的要因をそのまま組織が変化対応せずに

いるからである。外敵要因の変化により雇用環境も変化し、

個々人のキャリアに対する価値観も変化をしているのにもかかわらず

会社が従来の形からなかなか脱却できずにいる場合、組織内部に

おいて離職要因が発生する。それが組織と個々人との重要視する

もの、価値観の不一致として顕在化してくる。

決して成果主義が悪いのではなく、それは会社が生き残るためには

必要不可欠の過程である。しかしながら、優秀な若手社員を逃す要因とも

なっているのは、上司が部下を育てない風潮が広がり、長期成果を

評価せず、短期成果を重点的に評価するという人事評価制度の蔓延が

問題なのである。また成果主義人事評価制度が導入されているのにも

かかわらず、いまだ年功序列功労慰労型人事制度が残っているのも

若い優秀な社員の価値観とはあわない。


故ドラッガーは最後の著「ネクストソサイエティ」で非常に重要なことを

述べている。つまり「知識労働者を引き留めようとする様々な人事施策が

なされ、またなされようとしている。しかしそうしたものは徒労に

終わるだろう。もはやそうしたことを止めるのは不可能である。

知識労働者が移動するのは時代の流れである」という趣旨のものである。

また同じ著書の中に「知識労働者は高い報酬のために働くのではなく

知識労働者がほしいのは組織がどこにいこうとしており、何をしようと

しているのかを知ることである」とも言っている。



会社とは社会の公器であり、利益を生み、雇用を維持し、

社会のために生産活動を行う主体である。そして同時に個々人の能力形成を

促進し、キャリアを通じた自己実現の土台として存在している。



リテンションマネジメントに取り組むにあたっては

経営理念およびビジョンの確立、経営理念およびビジョンの浸透、

財務戦略・営業戦略を確立し中長期にわたって安定的な財務体質を築き、

雇用を守り、社会のために倫理観を持つことが前提としてある。

そしてそのうえで働きに応じた報酬(日金銭的報酬も含む)や、

能力開発機会の提供、自己実現に向けた個人のキャリアと組織ビジョンの

シンクロナイズ、ワークライフバランス施策などが求められる。


もう少し詳細にその内容について書いていこうと思う。



   ようこそ、リテンションマネジメントのパシオへ

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                         情熱を胸にICON179





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