2019年08月02日

「就職氷河期世代支援」はどのようなものになるのだろうか?





8月1日付の日経新聞朝刊にも掲載されましたが、来年度予算編成に向けた概算要求の作業の中で、「就職氷河期世代支援」が盛り込まれることが確定的になりました。これに合わせて、内閣府に各省庁職員30名を集めた「室」が設置されることになりそうです。

仕事柄、経済財政諮問会議による「骨太の方針2019」で盛り込まれ、そして、「経済財政運営と改革の基本方針2019」でより具体的に示されてきました。そしてもっと具体的に予算を伴う施策として、この夏にプロジェクトチームで検討され、来年度以降3年間を集中期間として、取り組みが進められようとしています。

働きながら学習する機会の提供や、同世代の非正規労働者を正社員として雇い入れした企業に対する助成金上乗せなどが挙げられています。いずれの施策もより効果的なものになるように十分に現場の声を反映したものにならなければいけないと感じます。

私自身、先の記事にも書きました通り、これまでずっと一環して就職氷河期世代を対象に就労支援や採用支援、社員教育や職業訓練校委託運営、各種調査やサービスの開発に取り組んできました。昨年には大学院の卒業研究テーマに「子育てやボランティア活動がキャリア形成に生きるのかどうか」を定量的に分析するものを行うなどしてきました。

私としてはいくつか国に対して、提言したいこともがあります。
パイプを生かして、政策立案にかかわる方と接点を持てればうれしいですし、その中で提言した事柄がほんの少しでも取り入れてもらえるなら本当にありがたいと思っています。命を懸けて(実際にこの前、緊急搬送されてしまいましたが)、東京に来ました。議員の職も、家族との安息の時間も犠牲にして、いまやるべきことは就職氷河期世代支援のための取組だと信じ、動いています。少しでも思いが通じればと念るばかりです。



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  • Posted by 藤井哲也 at 20:06Comments(0)就職氷河期世代活躍

    2019年07月27日

    「就職氷河期世代支援推進室(仮称)」が立ち上がる!

    私が会社を創業したのは当時、若年者であった現在の「就職氷河期世代」の就職環境が非常に悪かった時期でした。
    2003年9月29日。

    その約3か月前に「経済財政運営と構造改革に関する基本方針 2003(骨太の方針)」で、おそらく初めて若年者の就労にスポットライトを当てた施策方針が示されました。今から振り返ると就職氷河期世代とされる年代の人たちは1990年代前半から生じていたことになっており、とりわけ1997年前後の構造的な経済低迷により、1999年から2002年頃の就職環境が最悪だったことを考慮すると、若干施策展開が遅れたという気もしますが、景気循環説に基づき、当時は私も含め、もう少し我慢すれば景気は回復すると信じていたので仕方ないかもしれません。まさかその景気低迷がリーマンショック後の停滞期も挟んで10年程度も続くとは思ってもいませんでした。

    就職氷河期世代は、ロストジェネレーションとも言われ、「割を食った世代」や「不遇世代」ともされています。

    2003年の6月に小泉純一郎内閣で発表された「骨太の方針」における若年者の雇用対策は次のように書かれていました。
    少し長いですが、ペーストします。

    (1)雇用制度改革
    ・今後の時代を担う若年者の人間力強化のため、「若者自立・挑戦プラン」を推進する。その際、地域、企業、若年者の状況に十分配慮する。
    ・若年者について、現下のフリーター、無業者の増大に対処し、職業人としての自覚の涵養・職業意欲の喚起を前提として地方自治体、学校、民間団体、民間事業者との密接な連携・協力の下に、複数紹介、トライアル雇用や就職支援相談員(ジョブ・サポーター)を活用した一対一の個別総合的な職業相談・紹介体制を整備する。
    ・企業ニーズ等労働市場の状況に応じ企業実習と教育・職業訓練を組み合わせた若年者への「実務・教育連結型人材育成システム(日本版デュアル・システム)」を導入する。
    ・全国一律的な制度から、地域の個性や自主性を活かした雇用促進策へ転換する。地域の新たな取組として、自治体と地域の企業、学校、ハローワーク、民間事業者等の連携の下、その実情に応じ若年者のためのワンストップ・センターを整備する。
    ・長期失業者に民間事業者を活用して集中的な就職相談、効果的な職業訓練・職業紹介等を行う。その成果に対する評価に基づく報酬等の誘因を付与する。また、労働市場の状況を反映しつつ個人の選択を機能させた職業訓練等を行う。
    ・労働市場の環境整備のため、キャリア・コンサルティングを担う人材の育成・活用や産業のニーズに応じた職業スキル標準・カリキュラムの策定、職業能力評価制度の整備等を進める。
    ・社会貢献活動やワークシェアリング等、多様な雇用・就業機会の提供等を推進するとともに、育児休業の取得推進や保育サービスの強化・充実など、子育てをしながら働ける環境整備を推進する。
    ・「男女共同参画社会」の実現を目指して、指導的地位に女性が占める割合が2020年までに少なくとも30%程度になるよう期待し、平成15年度においては、関連情報のワンストップ・サービス化、ネットワーク化など女性のチャレンジ支援策に取り組む。
    ・障害者の雇用・就業を促進するため、トライアル雇用、能力開発、在宅就業の支援等を進める。
    ・国民の求める安心の実現に向け、一元的に雇用や失業関連の情報を提供する。
    ・旧国立研究所など公務員型独立行政法人について、その業務の内容により非公務員型独立行政法人化を進める。

    (2)雇用機会の創造
    ・サービス分野における規制改革や公的部門の外部委託の推進、情報提供、人材の育成支援、観光立国の実現及び休暇の取得促進・分散化等により、「530万人雇用創出プログラム」を着実に推進する。特に、サービスの生産を担う人材の質的強化は、サービスの品質や生産性を高め、競争力や付加価値の高いサービス産業の発展・創業を促進する上で重要である(具体的な対策例は別紙1参照)。
    ・公的サービスの外部委託を計画的に進め、NPO等を活用するほか、総合的な健康サービス産業、文化産業の創出などにより地域事業を創出する。
    ・「起業」による就業機会の拡大を図るため、ベンチャー企業向けの実践型就業実習の実施や創業・技術経営(MOT)の知識習得のための実効的カリキュラム・講座・ビジネス支援図書館の整備等により、総合的な事業化・市場化支援を推進する。また、創業塾を充実し若手経営者等による「第二創業」の支援を図る。
    ・大学における知的財産創出、大学発ベンチャー1000社計画や企業発(スピンオフ)ベンチャー支援等による研究開発型ベンチャーの創出、知的財産推進計画の推進、知的技術革新・産業集積の充実を一体的に推進する。このため、最低資本金制度の撤廃の恒久措置化、有限責任会社(LLC)・有限責任組合(LPS)の早期創設、全国レベルでの見本市の開催、起業化支援機能の強化、特許審査の迅速化、投資ファンドに対する支援策の改善等を行う。



    若者自立・挑戦プランに基づいて、全国には「ジョブカフェ」といわれる若年者就業支援センターが設置され、私も会社として様々な関わりをもたせていただく中で、若年者就業支援に取り組んできました。

    そうした施策の効果があったのか、なかったのか、2000年代前半から半ばにかけて集中的に行われた(リーマンショック後は雇用調整や基金訓練型の施策だった)そうした事業の対象だった世代は、15年ほど経った現在、アラフォー(40歳前後)となっており、いわゆる出産適齢期も終盤を迎えつつあり、第2次ベビーブーム世代とも重なる就職氷河期世代は期待された人口再生産もできないまま、時代だけが流れています。

    この世代はバブル世代と、第2次安倍政権以後の景気回復期に初職についた世代との間に挟まれており、ちょうど中間管理職としての活躍も期待される時期にありますが、多くが非正規労働の道を歩まざるをえなかったため、社会全体の生産性にも少なからず影響があると思われます。

    さらに40歳台の現在は顕在化していない問題として、「就職氷河期世代の老後」の悲惨さは容易に想像ができます。
    無貯金、低年金の人たちが多くなるであろうし、また若年壮年期に様々な金銭的苦労をしてきた中で、健康状態も良いとはいえず、生活扶助や医療費増大の要因になると思われます。一つの試算では、生活保護費の増加だけで数兆円の財源が必要になると考えられています。

    私はこうした問題が起きることを、約15年間に考え、一貫して政治・経済の様々な側面から、問題に現場で対処してきました。
    2005年8月に上梓した「フリーターっていいの?悪いの?」という拙著に、次のように私は書いています。

    フリーターが増加すれば、国家的には経済的損失が大きく、技術伝承の機会も減り、技術レベルの低下から長期的に見れば、社会生産性が低下するということが考えられる。また現在、最も世間を騒がしている話題の一つであろう社会保障問題についても懸念が深まる。


    派遣会社は普通、就労企業に対して弱い立場にあることを考えれば、派遣社員は極めて不安定な生活基盤であると言えます。また、アルバイトやパートと比較した場合、時給は高いかもしれないが、事務職の場合、手取りで15万円程度です。預貯金は当然できないでしょう。結婚後、時間を有効に使うために派遣社員という雇用形態を選ぶならわかりますが、ほとんどの登録者はそうではありません。だいたいは未婚の20代後半女性です。
    このように考えれば、派遣社員もフリーターと同様ではないでしょうか。一人の営業マンとして、登録者の生活を形成することも当然大切ですが、私は社会構造そのものを変革しないと根本的に解決できないと考え、フリーターを社会からなくすことを目的とした会社の設立を志してそれを前提に会社を退社しました。



    2019年夏。
    あの時から、もう16年が経ちます。
    国は「就職氷河期世代支援」の集中対策を実施する方針を打ち出しました。
    人口の再生産には間に合わないかもしれません。
    しかし、この世代の幸福感の向上、そして社会全体の経済生産性の増大や、社会保障制度の維持のためには、遅すぎることはありません。
    しかしながら実質的にこれが最後のチャンスになるかもしれません。この世代が自立したキャリア形成をしていくためには、50代になってからでは遅い気がします。アラフォーである今、そしてテクノロジーの進展による求められるスキルセットの変化が生じようとしている今であるならば、まだ間に合うかもしれません。

    私は今年、多くのものを犠牲にして、単身東京へ来ました。
    この就職氷河期世代対策に、少しでも政策立案の場面で関わりたいと思ったからです。
    それができるかもわかりません。しかし意思があればきっと道は開かれると信じ、当事者である自分自身の信念を貫き、誰よりもこの問題を考えてきたという自負を抱いて、今しばらくチャレンジをしたいと思っています。


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  • 2019年06月30日

    16期目の決算日。


     本日はパシオの16回目の決算日になります。

     5月中旬からは東京の会社に勤め始め、渉外・パブリックアフェアーズとして
     様々な経験を積み、関係知も築きながら、兼業としてパシオの仕事もしっかりと
     継続させていただいています。

     今期のパシオの業績は、例年になく厳しいものになりましたが、
     次への準備をしている時期でもあり、雌伏の時期として、
     東京中心ですが、様々な活動をしていこうと考えています。
     また自治体向けの各種行政計画策定支援業務もさせていただいており、
     これも大変良い経験になっています。
     
     業態や仕事内容は少しずつシフトしています。
     しかしながら思いはブレず、若者が情熱を持って生き生きと働ける社会づくり
     に貢献するという理念を持ち、とりわけ自分自身も対象者の一人である、
     就職氷河期世代支援の政策推進や事業運営に携わっていきたいと思っています。

     引き続きまして、何卒ご指導 ご鞭撻を賜れますようにお願い申し上げます。

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  • Posted by 藤井哲也 at 13:56Comments(0)情熱(私の思い)

    2019年05月03日

    あたらしいスタート!


     8年間の市議会議員としての公職の務めを終え、
     5月から再び、民間で自由に動き回ります。

     8年の期間中、多くの方にお世話になってきました。
     本当にありがとうございました。

     公職への道を開くきっかけを与えて頂いた、
     故堀場雅夫さんや、みんなの党創業者の渡辺喜美さん、
     京都党代表の村山祥栄さん、政治家になることに
     理解をして頂いたパシオ関係者の皆さん、そして家族。
     多くの方に感謝申し上げます。

     8年の月日の中で得た知見や経験を武器に、
     今後はよりダイナミックな活動に活かしていきたいと
     考えています。

     引き続いてのご指導ご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。



    (昨夏に行ったシンガポール。この頃には心を決めていました)



    (あたりまえなんですが、全ての議会で質問に登壇しました)



    (新旧の正副議長と一緒の記念撮影写真)



     道は続きます。
     私の想いは、就職氷河期世代が老後も安心して暮らすことが
     できる社会づくりです。そのためには、いまはしっかりと
     キャリア形成をしていくことが重要だと思っています。
     そのための活動を引き続き、取り組んでいきます。

     
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  • Posted by 藤井哲也 at 10:23Comments(1)情熱(私の思い)

    2019年03月10日

    入管法改正で変わる組織マネジメントやキャリア開発のあり方



    改正出入国管理法の論点

     本年4月から施行される改正出入国管理法。「特定技能1種・2種」という在留資格を新設することなどによって、一部産業で深刻化する人手不足に対応するため一定の専門性・技能を有した即戦力となる外国人を受け入れていくことになる。外国人による単純労働やミドル人材を実質的に認める大幅な政策転換である。
     この間、論点となってきたのは、①現制度での外国人労働者にとっての劣悪な生活・労働環境をどのように改善すべきか、②日本人の雇用機会の喪失や処遇低下にどのような影響がありどのように対応すべきか、③外国人差別の解消や治安悪化に対する懸念をどのように解消していくべきかという問題などである。
     近年、少子化を国家課題として捉える諸外国において、すでに外国人労働者を積極的に受け入れる取組が進められており、少子高齢化の課題先進国である日本においても外国人労働者の受入れは必要不可欠と言える。

    法改正によってどのような変化や課題が生じるのか

     法改正により外国人労働者が増えるならば、どのような変化や課題が生じるだろうか。
    外国人労働者がより身近になることは確実である。また実質的に“移民”と言える「特定技能2種」で就労する人が増加することが見込まれる2020年代半ば以降は、対象業種の緩和も検討され社会の多くの場面で外国人と共にする社会が到来するはずである。
     そうした変化の中で、まず社会で生じる課題は多文化共生社会を推進する取組の必要性である。「特定技能」は一定水準の日本語能力を有していることを前提としているものの、行政・生活情報などは専門用語も多く現状では分かりづらい。多言語対応が必要になると共に総合的な相談窓口の必要性など生じてくるはずである。
     次に企業で生じる課題は、すでに多くの企業が働き方改革に着手しているものの今後はより一層、外国人労働者を含めた多様な人材が安心・安全に働き、そして能力発揮できる環境を整備することに留まらず、多様な人材を戦力化すべく役割設計や人材育成をどのように行っていくべきかという課題がこれまで以上に生じてくると考える。マネジャーにとっては職場における関係の質にも考慮しながら、外国人労働者をはじめとした多様な立場の労働者をいかにマネジメントすべきかという課題認識が高まると考える。
     個人とりわけ労働者にとっては、外国人労働者と共に働くための意識の見直しや、労働市場での競合が想定される層にとっては能力開発の必要性が高まることである。今後5年間での受け入れ人数を約34.5万人に限定するなどして対策が講じられるものの、供給側の増大によって非正規雇用者が多く従事している職種の処遇向上が思ったように進まないことも想定されうるからである。


    課題にいかに対応し、変化をどのように生かすべきか
     こうした変化や課題に社会や企業、個人はいかに対応すべきだろうか。
     社会政策に関しては政府が講じている「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」に頼るとして、本稿では企業と個人はどのように対応すべきかを簡潔にまとめたい。
     まずこの度の入管法改正に伴う変化を肯定的に捉える基本姿勢がなにより重要ではないかと考える。変化をどのように生かしていくべきかという観点である。
     企業としては外国人労働者を「戦力」としてどのように活用すべきかが重要になってくる。中小企業や小規模事業者にとっては労働環境の整備や社保加入を含めたコンプライアンスの推進、生産性向上、ダイバーシティの高次化が社会的にも要請されるはずであろうし、また中堅規模以上の企業にとっては、これまでの最長5年間という技能実習期間は人材育成に対する投資意欲の阻害要因になっていたと考えられるが、今後は「特定技能2種」は期間の定めがないことを踏まえると「単純労働」に留まらず、企業活動のイノベーションにつながる「知的労働」も見据えて中長期的な投資効果を見据えた人事戦略がカギとなってくる。
     生産性向上にも統計的有意性が確認されているダイバーシティ&インクルージョン施策の推進に外国人労働者をはじめとした多様な立場、価値観を有する人材を活用し、生産可能性フロンティアを外縁に拡張する好機とすべきである。そのためには外国人労働者も含めた多様な人材が職場で活躍できるようなジョブ・アサイメントのあり方を人事や経営層、外部機関とも連携しながら社会や会社単位で構築し取り組んでいかなければならない。
     最後に主に非正規雇用などで働くキャリア形成機会に恵まれなかった層(個人的にはポスト就職氷河期世代を注視している)にとっては、これまでの職務上の経験が少ないことを補うべく、ビジネススキルに応用可能な実践的な社会活動経験(例えば、NPOや学習・体験サークル、子育て等)への参画を進めるなどして労働市場における差別化に主体的に取り組むべきと考える。合わせて公的職業訓練などのキャリア形成支援制度や、ジョブマッチングのあり方に関しても職務外経験も評価したものにするなどアップデートが検討されるべきと考える。


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  • Posted by 藤井哲也 at 10:27Comments(0)