2009年06月14日
「ワーク・ライフ・バランス」と「ワーク/ライフ・バランス」
おはようございます藤井です。
最近ではよく聞くようになった、「ワークライフバランス」という
言葉ですが、日本語に訳せば「仕事と家庭との調和」という意味です。
細かいことをちょっとだけ書いていきますので興味がない方は次のブログを見てください。
ということで、海外で言われる「ワークライフバランス」ですが、表記の仕方としては、
「Work/Life Balance」または「Work-Life Balance」としています。
対して日本ではどのように表示されるのかといえば「ワーク・ライフ・バランス」ということで、
中黒で言葉を分けられています。
私はちょっとした違いかもしれませんが、結構意味合いとしては大きな違いが出てきているので
はないかと感じています。
というのは、海外で言う時の「ワーク/ライフ・バランス」とは、仕事も家庭も一緒のものとして
とらえている節があり、日本のように明確にここから先が仕事で、ここから前が私生活というように
区分されていないと思うのです。仕事の一部が家庭にも影響しているし、家庭の一部が仕事にも
影響しています。これは事実だと思います。
日本の場合は、少子化対策の一環として、「ワーク・ライフ・バランス」施策が推奨されるように
なって、余暇を取れるようにすること、女性の社会進出と相まって男性にも同様に家事や子育てを
してもらうように制度化することに重点が当てられてきました。
多くの経営者は「なぜ会社が社員の家庭生活にまで配慮しながら、生産性を落としてまで
そうした取組みに参加しなければならないのか」と納得しない方も多いと思います。
表の顔では、最近は「うちの会社は女性に優しい会社ですよ、ワーク・ライフ・バランスに熱心に
取り組んでいる会社ですよ」ということを喧伝して、採用競争力を高めたり、社会的評判を高めようと
していたりしますが、実際のところ経営者の大半は単純な子育て支援のためのワーク・ライフ・バランス
には賛同しかねているのではないかと思います。それは経営者にとってなんらメリットがないと感じる
からです。そして実際のところ、ワーク・ライフ・バランス施策といわれるものに取り組んでみたところで
なんら経営者にとってのメリットは感じられていないのではないでしょうか。
それでは海外のワーク/ライフ・バランスはどのような意味合いで捉えられているのでしょうか?
もともと、ワーク/ライフ・バランスとは、1990年代に入って唱えられてきた考え方で、それまで
はファミリーフレンドリー制度という名称で呼ばれることが多かった制度です。
日本で言う「社員は家族だ」とはまた異なり、社員の家族に対してもきっちりとフォローしようという
ものです。そうすることによって、社員の帰属新が高まり、優秀な人材を採用できるからです。
そしてファミリーフレンドリー制度を導入するに当たって、様々な研究が
なされてきましたが、1985年Romzekによる研究では、仕事と私生活との双方向の影響の
仕方を3つのモデルにあらわしました。重要なモデルだけを紹介すれば「流出モデル」と
いうものです。
これは、私生活と仕事は相互に影響をしあうというモデルで、最も有力な考え方です。
つまり、仕事が充実すれば家庭も充実し、家庭が充実すれば仕事も充実するというものです。
家庭と仕事を明確に区別する日本のそれとは大きく異なり、あくまでも仕事のパフォーマンス
を指標としています。
単に人に対して優しい制度を「ワークライフバランス」というのではなく、仕事も家庭も両方とも
充実させて相互に好影響を与えつつ、人生を豊かにするものが「ワーク/ライフ・バランス」
なのです。
この考え方なく、単純に国が推奨しているから自社も取り入れるであったり、最近の流れに
押されて、コンサルタントに言われるがまま導入するというのは本末転倒。
自社は本当に成長したいと考えているのか?
それならば必要なワーク/ライフ・バランス施策はどのようなものなのか?
をきっちりと考える必要があります。一概にワーク・ライフ・バランス施策といっても
様々なメニューが存在しています。そうしたものの中から自社の社員の私生活をも充実
させることができる施策は何なのか、これを見極め選択・選別するのが人事部、
総務部の役割です。
あなたの会社は、「ワーク・ライフ・バランス」ですか?
それとも「ワーク/ライフ・バランス」ですか?
最後はセコムしてますか?的になりましたが、ぜひ自社にあった対策を
取り入れていただきたいと思います。
情熱を胸に
最近ではよく聞くようになった、「ワークライフバランス」という
言葉ですが、日本語に訳せば「仕事と家庭との調和」という意味です。
細かいことをちょっとだけ書いていきますので興味がない方は次のブログを見てください。
ということで、海外で言われる「ワークライフバランス」ですが、表記の仕方としては、
「Work/Life Balance」または「Work-Life Balance」としています。
対して日本ではどのように表示されるのかといえば「ワーク・ライフ・バランス」ということで、
中黒で言葉を分けられています。
私はちょっとした違いかもしれませんが、結構意味合いとしては大きな違いが出てきているので
はないかと感じています。
というのは、海外で言う時の「ワーク/ライフ・バランス」とは、仕事も家庭も一緒のものとして
とらえている節があり、日本のように明確にここから先が仕事で、ここから前が私生活というように
区分されていないと思うのです。仕事の一部が家庭にも影響しているし、家庭の一部が仕事にも
影響しています。これは事実だと思います。
日本の場合は、少子化対策の一環として、「ワーク・ライフ・バランス」施策が推奨されるように
なって、余暇を取れるようにすること、女性の社会進出と相まって男性にも同様に家事や子育てを
してもらうように制度化することに重点が当てられてきました。
多くの経営者は「なぜ会社が社員の家庭生活にまで配慮しながら、生産性を落としてまで
そうした取組みに参加しなければならないのか」と納得しない方も多いと思います。
表の顔では、最近は「うちの会社は女性に優しい会社ですよ、ワーク・ライフ・バランスに熱心に
取り組んでいる会社ですよ」ということを喧伝して、採用競争力を高めたり、社会的評判を高めようと
していたりしますが、実際のところ経営者の大半は単純な子育て支援のためのワーク・ライフ・バランス
には賛同しかねているのではないかと思います。それは経営者にとってなんらメリットがないと感じる
からです。そして実際のところ、ワーク・ライフ・バランス施策といわれるものに取り組んでみたところで
なんら経営者にとってのメリットは感じられていないのではないでしょうか。
それでは海外のワーク/ライフ・バランスはどのような意味合いで捉えられているのでしょうか?
もともと、ワーク/ライフ・バランスとは、1990年代に入って唱えられてきた考え方で、それまで
はファミリーフレンドリー制度という名称で呼ばれることが多かった制度です。
日本で言う「社員は家族だ」とはまた異なり、社員の家族に対してもきっちりとフォローしようという
ものです。そうすることによって、社員の帰属新が高まり、優秀な人材を採用できるからです。
そしてファミリーフレンドリー制度を導入するに当たって、様々な研究が
なされてきましたが、1985年Romzekによる研究では、仕事と私生活との双方向の影響の
仕方を3つのモデルにあらわしました。重要なモデルだけを紹介すれば「流出モデル」と
いうものです。
これは、私生活と仕事は相互に影響をしあうというモデルで、最も有力な考え方です。
つまり、仕事が充実すれば家庭も充実し、家庭が充実すれば仕事も充実するというものです。
家庭と仕事を明確に区別する日本のそれとは大きく異なり、あくまでも仕事のパフォーマンス
を指標としています。
単に人に対して優しい制度を「ワークライフバランス」というのではなく、仕事も家庭も両方とも
充実させて相互に好影響を与えつつ、人生を豊かにするものが「ワーク/ライフ・バランス」
なのです。
この考え方なく、単純に国が推奨しているから自社も取り入れるであったり、最近の流れに
押されて、コンサルタントに言われるがまま導入するというのは本末転倒。
自社は本当に成長したいと考えているのか?
それならば必要なワーク/ライフ・バランス施策はどのようなものなのか?
をきっちりと考える必要があります。一概にワーク・ライフ・バランス施策といっても
様々なメニューが存在しています。そうしたものの中から自社の社員の私生活をも充実
させることができる施策は何なのか、これを見極め選択・選別するのが人事部、
総務部の役割です。
あなたの会社は、「ワーク・ライフ・バランス」ですか?
それとも「ワーク/ライフ・バランス」ですか?
最後はセコムしてますか?的になりましたが、ぜひ自社にあった対策を
取り入れていただきたいと思います。
情熱を胸に
Posted by 藤井哲也 at 08:14│Comments(0)
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