2009年07月28日

ISO26000(組織の社会的責任)



おはようございますicon01藤井です。

本日もがんばりましょうicon09



さて、先日参加させていただきました研究会がおもしろかったので紹介します。

先日は、ある研究会だったのですが、インタービジネス・ネットワーク株式会社の

深田静夫代表のお話を聞かせていただきました。

深田さんは私もそれまで知らなかったのですが、住友商事やオムロンなどを経て

日本経団連「社会的責任経営部会」委員やISO/SR規格化ワーキンググループ

日本代表産業界エキスパート兼同団長をされ、現在はIBN社の代表でありかつ、

国際経営者連盟(IOE)CSRタクスフォース日本代表をされている方です。

70歳を越えていると思うのですが非常に若々しい方です。



現在、ISO26000の規格内容が正に決定されようとしているらしく、

今年5月18日~22日にかけてケベックで最終的な草案ができあがったそうです。

日本では20数名の代表団がいるらしいのですが、実際に英語がネイティブ並みに

できて、そのためだけに時間がとれる人が日本では3名しかいないらしく、

この深田さんや損保ジャパンの関さんという方ともう一方、それと事務局としての

日本経団連の女性の方だけで実質会議に参加しているということでした。



ISO26000は、組織の社会的責任の国際的規格であり、それまではなにかよく

わからなかった「社会的責任」というものを明確に規定したものになります。

現在はコメントを受付中ということで、そうしたコメントを日本代表団がまとめて

来年の春には正式にISO26000が決定されるそうです。



この規定は会社だけに限定したものではなく、組織(NGOや国家組織、NPOや

その他の組織全般)に適用されるべきものということで、CSRではなくOSRという

観点から作られるものです。OSRという名称がつかわれなかったのにも理由がある

らしいのですが、最終はSR(social responsibility)ということになります。




内容を勉強する会だったのですが、なかなかこれをすべて実施するのは難しいと

思います。またこれは深田さんもおっしゃっておられたのですが大手企業向けに

作られようとしているもので、中小企業はすべて実施するのは極めて難しいということ

です。企業のリテンションマネジメントの観点からも符合する部分も多いように思いますので

このISO26000を導入することができれば非常に大きなリテンション効果も見込めると

思います。




深田さんは最後におっしゃっておられたのですが、こうしたISO26000などの国際規格は

ほとんどが欧米が決定するものであり、日本には常任委員会がおかれることさえないという

ことです。日本や中国は参加したいのであれば参加すればよいというのが欧米の本部の

考え方のようで、特にアメリカの独走を防がんがためにヨーロッパ諸国が日本を頼りにしている

ためなんとか少しばかりの発言権が残されているということでした。

こうした国際規格が作成されようとしているにも関わらず日本の多くの企業は動いていない

と。欧米の商慣習や倫理慣習が大きく影響している規定になるようで、必ずしも日本の

商慣習や企業経営の美徳が含まれているものにはならないということですが、

一度作成されれば日本はプレイヤーにならざるを得ないと。それからあれやこれや

言ったところで内容は変わらないので言うならば最終的な草案ができた今が最後のチャンスで

あるとのことです。しかし問題があるとも言っておられました。それはコメントを多くいただいた

としても日本にはそうしたところに提出する文書を英語化できる実務家が非常に少ないと。

現実にはこの深田さんと経団連の女性1名がその内容をまとめて会議に臨んでいる状況で

日本の交渉力は極めて低いものとなるだろうということです。国はこうしたものには予算は

つけていないので深田さんは自費でやっているということです。

悲しいですね。

新しい国際規格が来年にも始まるのですが、それはある意味、一部日本のコメントも

入れられたものかもしれませんが、欧米が規定するものとかわりません。




いま国会は解散し、実質的選挙活動に入っていますが、そうした中でも国際社会で

さまざまな問題がmovingしています。スピードに対応して意思決定を速める制度と

が国際社会の中でヘゲモニーを維持拡大できるような英語力、文化理解力、

交渉力が教育において私はもっとも必要に思います。

                             情熱を胸にICON179










Posted by 藤井哲也 at 07:22│Comments(0)情熱(私の思い)
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