2007年11月10日

広島新井のリテンション

広島カープの新井がFA宣言をしたそうですね。

私のファンのチームは阪神タイガースなのですが、どちらかといえば

阪神がすきというよりも、甲子園球場が好きであるということが

近いような気がします。

チームや組織への愛着というものも当然あると思いますが、

組織やチームというものは形がないものです。

そうしたものへの愛着というものはあってないようなものであり、

元来はあるものに対しての愛着というものがその所属している

物に対する愛着につながっているような気がします。


日本には「神」というものは万物に宿っているつまりは

八百万の神といういい方もありますが、もともとは

山や石や木といったものに対して神が宿っているとし、

それに対する尊崇の念を抱いているようなきがします。

神に対する恐れや讃えはモノへのそれであるのではないかと

思います。



新井は阪神に移るということが濃厚といわれていますが、

実際はどうなるのでしょうか?

新井のことはそれほど知らないのでなんともいえないのですが、

広島球団にとっては新井が抜けることは黒田が抜けることを

意味して、大きな戦力ダウンどころかこれから数年間は

投手と打者双方の柱を欠いたまま、ペナントレースを戦わなければ

ならないということを意味します。なんとしてもリテンションさせたい

というケースだと思うのですが、私が考える13のステップからすれば

すでに7段階目か8段階目まで達していると思うので、とき既に遅しですね。

もうどうしようもない状況だと思います。




原因を探るならば、

今回は大分類で言う「組織内の要素」と「個人的な要素」が

絡んでいるような気がします。

組織内の要素というものは、成果に対する褒賞の限度があるという

ことと、どれだけ頑張っても優勝に絡むことが出来なさそうということです。

先のものはAssessment に関わることであり、インセンティブを

示すことによってなんとか解決できる問題かもしれません。

広島はお金がないといわれていますが、会社にたとえるならば

まさに中小企業です。中小企業が大手企業よりも人材的に必ず

劣っているのかといえばそのようなことは無いと思うのですが、

給料はどうしても限界があります。その場合はいかに働き甲斐を

提供していったり、そのほかのインセンティブをつけるかが問題でしょう。

そしてもうひとつの優勝に絡むことが出来なさそうということについては

組織の問題のなかでもマネジメントと経営者の考え方によるものだと

思います。私の分類で言うならば「management」および「Foundation」

であります。

指揮官や中間管理職は、相応の能力を備えた人材を要しながらも

近年ずっと下位に甘んじてきました。いろいろと原因はあるかも知れませんが

指揮次第でAクラスには入れる年があってもおかしくはないのではないかと

思います。それはマネージャに問題があるのか、または経営者に問題がある

のかわかりませんが、いずれにしてもどちらかに問題があるといわざるを得ません。

従業員に夢を与えられないとすれば、その組織から人は流出してしまうのは

当然であり、マネジメント(現場監督の人材マネジメントを変える)や、

経営管理(資源の投資について考え方を変える)といったことがこれまでなされて

こなかったことが離職を招く要因となっているはずです。



そしてももうひとつ「個人的な要因」があります。

いわずもがな新井選手は阪神の金本選手を師匠と考えています。

師弟関係は組織を超えると思うのですが、金本の晩年が近づいていることも

ひとつの原因です。最後は自分があとを継ぎたいという考えから

阪神に移ることは十分考えられます。

この個人的な要因での流出は組織側としてはあまり対処しにくい

問題といえます。もともと怪我をしやすいであったりストレスを感じやすい

という個人的なもんだいであるならば、スカウト段階で判断が付けられる

のですが、師弟関係でひっぱられるように抜けていくようなケースにおいては、

・金本をもう一度阪神に呼び寄せる

・金本以上の選手を阪神につれてくる

・判断を狂わせるような破格の条件を提示する(将来の監督確約など)

しか新井の心を動かすことは出来ないでしょう。


そして今回のケースでの最も新井が重視する項目が私は

その「個人的な要因」であると感じることからもはや組織として

球団としてなにかしてもほとんど効果がないということです。

ここまでになにか対策をうってこなかったことが問題であり、

もはや手遅れではありますが、人のリテンションには最後まで何が

あるかわかりません。最後の最後に引き止めることができるならば

それは人であると思うのですが、新井にとって金本以上の存在は

いるのでしょうか。



私ならばそうした人が見つからないのであれば、せめて温かく送り出して

将来の広島球団への貢献を願うことが最もではないかと思います。

                                 情熱を胸にICON179

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