2007年12月21日

リクルート・スタッフサービスの誕生

時にありえないと思っていたことが起こることがある。

人材派遣業界で営業をしていたのはもう5年以上も前のことになりますが、

私が所属していた会社はヒューマンタッチ、現在のヒューマンリソシアです。

売上高は入った当初は180億円くらいだったのですが、辞める頃には300億円くらいには

なっていました。しかし当時は4強といわれた会社があり、スタッフサービス、

アデコキャリア、パソナ、テンプスタッフです。それぞれが1000億円以上の売上高を

持っており、その後をパソナソフトバンク(フジスタッフ)や、リクルートスタッフィング、

そしてヒューマンタッチ、ピープルスタッフなどが追随していました。

ただ知名度が高まればスタッフも集まりやすくなり、事務処理などを中央センターで

実施することで格段にコストカットにもつながるため、規模の論理で大きいところほど

どんどん大きくなり、当時のヒューマンもかなり劣勢にたっていたと思います。



スタッフサービスの営業手法は特に激烈で、ローラー部隊が居て、ざっと営業をしていきます。

とりあえず物量作戦で数を当たってくる、そして基本的には事前面接は派遣法で禁止されている

のですが、何人も面接に連れてきて、こちらは会社の方針で一人しか出さなかったので、

競合に当たればかなりの強敵でした。


その会社がいまリクルートに吸収されようとしています。コンプライアンスなどで最近は

低調だったと思うのですが、いきなりリクルートグループに入ることになるとは想像だにしていませんでしたが

それが現実となります。株式の8割程度を取得するということで、現在のリクルートスタッフィングの規模と

あわせればダントツの派遣業界のガリバー企業となります。

すでに人材紹介部門ではリクルートエージェントが二位のインテリジェンスを引き離していますが、

このような構図が人材派遣業界でもおこるのです。


果たしてこれはイイコトなのでしょうか。

派遣スタッフの人にとって良ければ問題ないと思いますし、逆に一社が力を持ちすぎてしまうと

あらゆる点で業界を支配してしまいかねないとも思います。私ははっきりいうとアンチリクルート派です。

リクルートが嫌いというよりかは、アンチなのです。大きいところには闘争心が沸いてくるのです。



リクルートは確かにいい会社だと思いますし、見習うべき点も非常に多いと思います。

出身者もかなり優秀な方がおられますし、実際に当社にも出身者が入って活躍しています。

しかし、なんとなく大きい会社はやり方がセコイと感じてしまうのは私だけでしょうか。

リクルートは中国やアメリカに向けたビジネス展開を視野に入れていると経営戦略に関する

何かの資料でみたのですが、広告業界で言う電通のような会社を目指しているのでしょうか。



派遣業界はかなり狭いパイを多くの企業が奪い合っている構図はこれからも買わないと思いますし、

一般的にだれにでもできる代替可能な仕事を非正社員の一部である派遣社員がやっていくことを

考えれば、社会全体で見れば小数であってもかなり重要な役割を担っていくことになると思います。

ドラッカーのいうといころのテクノクラートの一歩手前のような人たちのことだと思うのですが、

そのような人たちが正社員をサポートしていき、日本の競争力を高めていくことが社会全般から

みれば必要だと思いますので、リクルートに求めることは、派遣スタッフの人たちの働きやすさの

追求であり、決して規制を張ったりすることがないように、また賃金や処遇を恣意的に

コントロールすることがないようにと願うばかりです。

                                    情熱を胸にICON179
Posted by 藤井哲也 at 00:03│Comments(0)情熱(私の思い)
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