2009年02月04日

【リテンション事例】

下記ホームページ記載のものとほぼ同様ですが、こちらにも掲載したいと思います。



■企業概要

関西に基盤をおく中堅アミューズメント系企業。


■背景

新卒で毎年20名~40名程度採用しているが、近年は採用してもすぐに

辞めていくケースが相次いでおきている。たとえば昨年4月入社した新卒

社員のうち半年後に残っていたのは35名のうち17名でした。(ちなみに

1年経った時点では定着していた社員は11名で離職率は実に68%という

高率なものでした)

アミューズメント系企業の定着率(業界平均は50%ほどといわれる)はもともと

高くはないものの、半年で半分が退職する現状は変えていかねばなりません。

人材育成にかけるコストや戦力になるまでにかけた人件費、そして現場の

リーダー層の教育するモチベーションが落ちてこの状態が続けば会社にとっても

打撃になるし、人事としてもなんとかしたいとのことでした。


■コンサルティングプロセス

・まずはリテンションマネジメントサーベイを実施

どのような要因が離職理由となっているのかによって対策が異なる。

そのためまずは離職要因を分析するために、リテンションマネジメントサーベイ

『RMS』を実施しました。2年目社員までを含めた45名の社員の方々に診断

テストを受けていただき回収し分析したところ、最も問題となっている要因は

「採用ミスマッチング」でした。また対策が必要な値まで達していたものとして

「組織内の不満・怒りの開放」がありました。


・不満と怒りの開放

リテンションマネジメント施策を際に重要なことは組織内の怒りや不満状態を緩和

させることです。社員が会社や社長に対して強い不満を持っている状態のまま

人が辞めない組織作りに取り組んだとしても、実際に現場の意識が変わらなければ

施策は全く機能しません。不満を吐き出させて会社の施策に前向きに取り組み、

自ら主体性を持って改善していけるような姿勢にさせなければなりません。

新しく人が入ってきても会社の中に不満が渦巻いていれば新人はどう思うでしょうか。

そうした状態をまずは改善する必要があります。

コンサルタントとは別に臨床心理士の資格を有した専門家が同席し、社員一人一人の

不満やストレスの種についてカウンセリングを行いました。専門的技法によってその人が

持っている現在のストレッサーやかつての忘れたい経験を聞くことが強い不満や怒りを

鎮める一つの方法です。また不満や怒りを共有する必要性もありますので特に

根深い不満を持っていると判断した数名に後日時間をとって集まってもらい不満の

吐き出しを行いました。怒りに満ちた社員ばかりですので爆発するかと思いきや

あまり本音で話をしませんでした。そこでコンサルタントが現状の会社の課題を話しして、

そうした課題についてどのような対策を採っていけばよいのかという意見を求めたところ

参加者からはどんどんと会社に対して良く言えば意見(悪く言えば非難批判)が

出てきました。ここで終われば単なる怒りの吐き出しだけで終わってしまいます。

こうした後ろ向き社員をいかにして前向きにさせるのかがポイントとなります。

ここでコンサルタントによりちょっとした研修を行い、参加者は主体的に自分から

会社を変えていこうとする気持ちになりました。


・採用プロセスの見直し

このアミューズメント企業の場合、最も大きな離職要因は「採用ミスマッチング」に

ありました。入社2年以内社員のリテンションマネジメントのステップの通り、

まずは求人や選考プロセスを見直す必要があります。

RJP(Realistic Job Preview)のリテンション効果が認められているので、

導入したいところですが、アミューズメント系企業の仕事内容をそのまま

求人サイトや自社ホームページ、パンフレット等に掲載してしまえば採用競争力

が低下する(つまり母集団形成がうまくいかない)状態に陥る可能性があります。

弊社独自の手法によりRJPと採用競争力の維持の二つを両立できる手法が

ありますのでその手法を用いて、自社の経営理念や仕事風景、会社の雰囲気、

仕事内容、キャリアステップ等を伝えることができる求人媒体を企画・制作しました。

その上でそうした求人媒体を有効に活用できるように採用プロモーションのあり方も

見直しを行い、最大手の求人サイトに掲載していたものを同費用を、違う求人サイトと

合同企業説明会参加費、セグメントした大学への広報に分配しました。あわせて

面接のあり方も弊社の『Math!!!』を活用して根本的に見直し、その面接のあり方を

徹底するように面接官トレーニングを行いました。


・入社から半年間のフィードバック型フォローを実施

採用では採用経費を若干上乗せし、自社のありのままの姿をうまく伝えられたことも

あり45名の内定に成功しました。入社したのは43名です。

早期離職予防型リテンションマネジメントの第3ステップである、入社後のフォローも

早期離職を予防するためには非常に重要であり、採用ミスマッチングの一要素を

成しています。採用ミスマッチングの認識は「だまされた」というものや「こんなはず

ではなかったのに」という不満から生じるものですが、入社直後にそうした不満を緩和

させることができれば最終的な「だまされた」という認識にはいたらず、「聞いていた

内容だったが結果的に良かった」となるはずです。採用ミスマッチングは単にイメージと

現実が異なるだけではなく、入社後のフォロー体制も影響を与えています。

弊社の新人フォロー技法である「集団メンタリング制度」を用いた弊社の

人事施策プログラム『・・・・・』を導入しました。


■コンサルティングの効果

・入社して半年後の離職率は大幅に改善している

コンサルティング導入前年度の入社半年後の離職率は51%で、

1年後離職率は68%でしたが、コンサルティングを導入した結果、

入社半年後の離職率は18%に収まっています。(1年後の離職率は

30%程度になる予想)

一人当たりのCOT(cost of turnover=離職損失額)は、採用経費、

育成経費、補充採用費、人件費等をあわせて550万円程度で前期は、

総額1億3200万円が無駄になっていました。今期は13人程度の離職者が

見込まれ一人当たりのCOTは400万円程度になることが予想されるため

総COTは5200万円程度となります。コンサルタントフィーおよび内定者研修、

新人フォロー費を合計してかかった費用は1500万円程度でした。

弊社がコンサルティングに入ったことにより、導入前に比較しておよそ

6500万円の経費を削減することにつながったことになります。


リテンション&エンゲージメントセミナーまであと14日


                               情熱を胸にICON179






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