2020年03月28日
【延期決定】 就職氷河期世代支援について、議論しませんか?@永田町
【コロナウィルス収束後へ開催延期となりました】
新型コロナウィルスの状況次第で延期になる可能性があるのですが、とりあえず告知だけ。
4月20日の月曜日に、東京の永田町近くで日本人材マネジメント協会さん主催による研究会で、就職氷河期世代支援について話題提供させて頂き、ご参加される皆様と一緒に、科学的にこの問題について整理し、どのような対策が実効性が高いのかを検討する場を頂戴します。

お申し込みはフェイスブックから可能です。
(https://www.facebook.com/events/172378993733300/)
私の方にお問い合わせ頂いても、お取次するようにいたします。
新型コロナウイルスの影響で、今、非正規雇用の方々の雇用が危機的です。既に有期雇用の非正規社員の方の中には、契約延長がなされず、失業される方もいると聞き及びます。こうした雇用低迷期では、新卒や若年層だけではなく、キャリア形成期にある20歳代の方々にとって大きな影響を及ぼします。もしかしたら、今回の新型コロナのダメージが長引いて数年間に及ぶようなら、貴重なキャリア形成期にある方たちにとっては非正規労働で凌がねばならないという人も増え、第二の就職氷河期世代ともなりかねません。
そうしたことから、政府は雇用調整助成金の充当を90%に引き上げるなど、雇用を守る政策形成がなされつつありますが、より一層の対策が講じられることを強く求めたいところです。
新型コロナウィルスの状況次第で延期になる可能性があるのですが、とりあえず告知だけ。
4月20日の月曜日に、東京の永田町近くで日本人材マネジメント協会さん主催による研究会で、就職氷河期世代支援について話題提供させて頂き、ご参加される皆様と一緒に、科学的にこの問題について整理し、どのような対策が実効性が高いのかを検討する場を頂戴します。

お申し込みはフェイスブックから可能です。
(https://www.facebook.com/events/172378993733300/)
私の方にお問い合わせ頂いても、お取次するようにいたします。
新型コロナウイルスの影響で、今、非正規雇用の方々の雇用が危機的です。既に有期雇用の非正規社員の方の中には、契約延長がなされず、失業される方もいると聞き及びます。こうした雇用低迷期では、新卒や若年層だけではなく、キャリア形成期にある20歳代の方々にとって大きな影響を及ぼします。もしかしたら、今回の新型コロナのダメージが長引いて数年間に及ぶようなら、貴重なキャリア形成期にある方たちにとっては非正規労働で凌がねばならないという人も増え、第二の就職氷河期世代ともなりかねません。
そうしたことから、政府は雇用調整助成金の充当を90%に引き上げるなど、雇用を守る政策形成がなされつつありますが、より一層の対策が講じられることを強く求めたいところです。
2020年03月27日
どのように就職氷河期世代支援を自治体は進めていくべきか?
■都道府県はとにかく雇用を喚起することが最も重要!
現在、時事通信社「地方行政」に連載中の『自治体における就職氷河期世代支援の進め方』。
おかげさまで多くの方からお問い合わせを頂戴しております。誠にありがとうございます。
テーマはどのように自治体は就職氷河期世代支援に取り組むべきか?というものです。

(就職氷河期世代支援は、国の集中支援の方針を受け、4月から全国都道府県で展開される)
都道府県が取り組みを進めるにあたり、特に大切だと考えること。それは、民間企業に対する雇用の働きかけです。
就職氷河期世代を採用しましょう!と単なるキャッチコピーを打つことや、啓発活動に取り組むのでは不十分。官民連携プラットフォームを形成し動き出すからには、社会課題として官民が共通認識を持ち、その上で、どうすれば就職氷河期世代の採用が進むのかをともに考え施策を取っていかねばなりません。
埼玉県が昨年7月31日現在、県内1500の事業所に対して行なった調査(有効回答率は57.7%)では、『平成28年4月から平成31年3月までの3年間に就職氷河期世代(平成31年4月時点で33~48歳の方)を正社員として採用したことがある事業所の割合は、中小企業で56.6%、大企業で63.4%であった』『今後、就職氷河期世代を正社員として採用する予定があるか尋ねたところ、中小企業では「採用する予定がある」が35.9%、「採用に向けて今後検討したい」が29.6%となった。大企業においても、「採用する予定がある」39.6%、「採用に向けて今後検討したい」31.7%となっており、中小企業、大企業共に採用に前向きな回答は6割を超えた』としており、氷河期世代採用について一定の理解があると言えます。

埼玉県は就職氷河期世代支援に熱心。氷河期世代限定の合同企業説明会も開催した。(資料:埼玉県)
民間企業に氷河期世代人材の需要がないということはなく、人によっては採用したいと考えている事業所が半数を越えています。
しかし埼玉県の調査でも、「非正規労働が長かった」という条件ではなく、「33歳から48歳の人材」として対象者を括っています。その中にはもちろん正社員歴ばかりだった方も含まれています。果たして、就職氷河期世代で且つ、非正規歴が長かった方を正社員として採用した企業、採用したいと考える企業はどれくらいいるのでしょうか?
本人のスキル研鑽や、就労支援機関によるサポートにより、求職者側のハードルは下げられます。しかし、採用側の心理的ハードルは高く、なかなかそうした人材を正社員として雇用するまでには至らないように思われます。こうした支援対象者の雇用を喚起するのが行政機関の役割だと考えます。
■非正規歴が長い支援対象者の雇用を喚起するためにできること
女性活躍にしても、働き方改革の推進にしても、どちらかといえば行政主導というよりも民間主導で施策が浸透してきました。
女性の活躍推進や働き方改革推進に熱心な企業ほど、労働者側から魅力的に移り、採用競争力も高まります。同業者やライバル企業が先進的な取り組みをすれば追随する形で周辺企業に施策が横展開され、現在のように施策推進が一定の成果を上げてきました。この間、行政機関は何をしていたかと言えば、一部の自治体を除いて、実質的にはワークライフバランスのセミナーをやったり女性活躍施策の普及啓発活動を行ってきたに過ぎず、正直あまり効率的・効果的な動きは採られてこなかったように考えています。
しかし、非正規歴が長い就職氷河期世代の採用においては、民間主導というのはなかなか期待できません。施策に積極的だからと言って、レピュテーション(評判)がそこまで高まるわけでもなく、また企業価値や評価が高まることは現時点では考えられないからです。
そうしたことから、この就職氷河期世代支援に関しては、行政からの働きかけが非常に重要であると考えられます。
非正規歴が長かった人たちの就労支援において、行政機関はどのように取り組めば良いのでしょうか?
考えられるのは、就職氷河期世代支援に積極的な企業の評価を高めることです。イノベーションに熱心な企業には何らかの表彰がされることもありますし、子育て支援に熱心な企業には例えば”くるみん認定”がなされます。これと同様に、行政により、氷河期世代採用に熱心な企業になんらかのプラス評価をすることや、事例紹介として取りまとめて、ジョブパークやハロワークなどに情報を提供し、半ば行政のお墨付きを与えて求職者に情報提供するなどといったことが考えられます。
■氷河期世代採用の成功事例を行政主導で拡散する
民間の雇用需要を喚起するために効果的だと考えられる施策としては、氷河期世代を採用して、実際に採用した人材が活躍している事例を自治体が民間企業に広報することです。なぜ氷河期採用に躊躇するのかは先に述べましたが、簡単に言えば「活躍しているイメージができないから」です。逆に言えば、氷河期世代が活躍している事例を企業経営者や人事担当者が見ることができ、自社でも活躍できるというイメージを想い起こすことができれば、心理的ハードルは取り払われ、採用活動に舵を切ることが考えらえます。
行政機関はいち早く、氷河期世代採用をはじめました。人数は数人と少なくとも、今いちばん事例を持っているのは行政機関でしょう。それならば、まずはその活躍している姿を、広報誌や民間企業向けのイベントや、労働局や自治体主催のセミナーなどで広報していくことが求められます。ぜひ自治体関係者の方にお願いしていきたいと思います。
■就職氷河期世代に取り組んできた20年間
私自身、2003年の創業以来、ずっと一貫してこの世代の就労支援に取り組んできました。
最初はフリーターや第二新卒向けの求人サイトの運営。次はリテンションマネジメントと呼ばれる早期離職予防のための企業コンサルティング。景気良い時期に就職はしやすいのですが早期退職することで、本人にとってはキャリア形成がうまくいかない事例が多くあります。だから企業にとっても本人にとっても損な早期離職を抑制しようと取り組みました。そして有料職業紹介の免許を取っての直接的なマッチング事業、さらに基金訓練事業。ビジネスとしてはここでひと段落をつけ、2011年からは自治体議員として雇用労働問題や経済振興問題を中心に取り組み、2019年に議員を辞めて東京に出て、就職氷河期世代支援に関わる政治家や官公庁の関係者の方々と意見交換を重ねて、今2020年に再び京都へ戻り、現場から就労問題に取り組もうと考えております。
現在、自治体における就職氷河期世代支援の進め方というテーマで、時事通信社「地方行政」に連載記事を執筆中です。
全国の自治体関係者や議会関係者はご覧いただけますが、一般の方は見ていただく機会が少ないと思います。
そうしたことから、本ブログでも、執筆記事を加筆・再構成して、記事を書いて行きたいと思います。
現在、時事通信社「地方行政」に連載中の『自治体における就職氷河期世代支援の進め方』。
おかげさまで多くの方からお問い合わせを頂戴しております。誠にありがとうございます。
テーマはどのように自治体は就職氷河期世代支援に取り組むべきか?というものです。

(就職氷河期世代支援は、国の集中支援の方針を受け、4月から全国都道府県で展開される)
都道府県が取り組みを進めるにあたり、特に大切だと考えること。それは、民間企業に対する雇用の働きかけです。
就職氷河期世代を採用しましょう!と単なるキャッチコピーを打つことや、啓発活動に取り組むのでは不十分。官民連携プラットフォームを形成し動き出すからには、社会課題として官民が共通認識を持ち、その上で、どうすれば就職氷河期世代の採用が進むのかをともに考え施策を取っていかねばなりません。
埼玉県が昨年7月31日現在、県内1500の事業所に対して行なった調査(有効回答率は57.7%)では、『平成28年4月から平成31年3月までの3年間に就職氷河期世代(平成31年4月時点で33~48歳の方)を正社員として採用したことがある事業所の割合は、中小企業で56.6%、大企業で63.4%であった』『今後、就職氷河期世代を正社員として採用する予定があるか尋ねたところ、中小企業では「採用する予定がある」が35.9%、「採用に向けて今後検討したい」が29.6%となった。大企業においても、「採用する予定がある」39.6%、「採用に向けて今後検討したい」31.7%となっており、中小企業、大企業共に採用に前向きな回答は6割を超えた』としており、氷河期世代採用について一定の理解があると言えます。

埼玉県は就職氷河期世代支援に熱心。氷河期世代限定の合同企業説明会も開催した。(資料:埼玉県)
民間企業に氷河期世代人材の需要がないということはなく、人によっては採用したいと考えている事業所が半数を越えています。
しかし埼玉県の調査でも、「非正規労働が長かった」という条件ではなく、「33歳から48歳の人材」として対象者を括っています。その中にはもちろん正社員歴ばかりだった方も含まれています。果たして、就職氷河期世代で且つ、非正規歴が長かった方を正社員として採用した企業、採用したいと考える企業はどれくらいいるのでしょうか?
本人のスキル研鑽や、就労支援機関によるサポートにより、求職者側のハードルは下げられます。しかし、採用側の心理的ハードルは高く、なかなかそうした人材を正社員として雇用するまでには至らないように思われます。こうした支援対象者の雇用を喚起するのが行政機関の役割だと考えます。
■非正規歴が長い支援対象者の雇用を喚起するためにできること
女性活躍にしても、働き方改革の推進にしても、どちらかといえば行政主導というよりも民間主導で施策が浸透してきました。
女性の活躍推進や働き方改革推進に熱心な企業ほど、労働者側から魅力的に移り、採用競争力も高まります。同業者やライバル企業が先進的な取り組みをすれば追随する形で周辺企業に施策が横展開され、現在のように施策推進が一定の成果を上げてきました。この間、行政機関は何をしていたかと言えば、一部の自治体を除いて、実質的にはワークライフバランスのセミナーをやったり女性活躍施策の普及啓発活動を行ってきたに過ぎず、正直あまり効率的・効果的な動きは採られてこなかったように考えています。
しかし、非正規歴が長い就職氷河期世代の採用においては、民間主導というのはなかなか期待できません。施策に積極的だからと言って、レピュテーション(評判)がそこまで高まるわけでもなく、また企業価値や評価が高まることは現時点では考えられないからです。
そうしたことから、この就職氷河期世代支援に関しては、行政からの働きかけが非常に重要であると考えられます。
非正規歴が長かった人たちの就労支援において、行政機関はどのように取り組めば良いのでしょうか?
考えられるのは、就職氷河期世代支援に積極的な企業の評価を高めることです。イノベーションに熱心な企業には何らかの表彰がされることもありますし、子育て支援に熱心な企業には例えば”くるみん認定”がなされます。これと同様に、行政により、氷河期世代採用に熱心な企業になんらかのプラス評価をすることや、事例紹介として取りまとめて、ジョブパークやハロワークなどに情報を提供し、半ば行政のお墨付きを与えて求職者に情報提供するなどといったことが考えられます。
■氷河期世代採用の成功事例を行政主導で拡散する
民間の雇用需要を喚起するために効果的だと考えられる施策としては、氷河期世代を採用して、実際に採用した人材が活躍している事例を自治体が民間企業に広報することです。なぜ氷河期採用に躊躇するのかは先に述べましたが、簡単に言えば「活躍しているイメージができないから」です。逆に言えば、氷河期世代が活躍している事例を企業経営者や人事担当者が見ることができ、自社でも活躍できるというイメージを想い起こすことができれば、心理的ハードルは取り払われ、採用活動に舵を切ることが考えらえます。
行政機関はいち早く、氷河期世代採用をはじめました。人数は数人と少なくとも、今いちばん事例を持っているのは行政機関でしょう。それならば、まずはその活躍している姿を、広報誌や民間企業向けのイベントや、労働局や自治体主催のセミナーなどで広報していくことが求められます。ぜひ自治体関係者の方にお願いしていきたいと思います。
■就職氷河期世代に取り組んできた20年間
私自身、2003年の創業以来、ずっと一貫してこの世代の就労支援に取り組んできました。
最初はフリーターや第二新卒向けの求人サイトの運営。次はリテンションマネジメントと呼ばれる早期離職予防のための企業コンサルティング。景気良い時期に就職はしやすいのですが早期退職することで、本人にとってはキャリア形成がうまくいかない事例が多くあります。だから企業にとっても本人にとっても損な早期離職を抑制しようと取り組みました。そして有料職業紹介の免許を取っての直接的なマッチング事業、さらに基金訓練事業。ビジネスとしてはここでひと段落をつけ、2011年からは自治体議員として雇用労働問題や経済振興問題を中心に取り組み、2019年に議員を辞めて東京に出て、就職氷河期世代支援に関わる政治家や官公庁の関係者の方々と意見交換を重ねて、今2020年に再び京都へ戻り、現場から就労問題に取り組もうと考えております。
現在、自治体における就職氷河期世代支援の進め方というテーマで、時事通信社「地方行政」に連載記事を執筆中です。
全国の自治体関係者や議会関係者はご覧いただけますが、一般の方は見ていただく機会が少ないと思います。
そうしたことから、本ブログでも、執筆記事を加筆・再構成して、記事を書いて行きたいと思います。
2020年03月23日
地域の実情に応じた就職氷河期世代支援のために
●バラツキがある都道府県ごとの支援対象者数
就職氷河期世代支援と一概に言っても、いろいろな人がいます。
国では支援対象者を大きく3分類しています。一つ目の括りは不本意非正規歴が長い人。二つ目は長期無業状態にある方。三つ目はひきこもり状態にある方。それぞれの対象者にそれぞれの支援策を講じることになっています。
施策の実効性を高めるためには、都道府県単位での取組が求められます。そのため、都道府県ごとに官民連携のためのプラットフォーム(協議会のようなもの)が設立され、そこで実施計画を策定し、計画に沿って、支援策が講じられることになります。
都道府県単位でどの程度の支援対象者がいるのかも、厚生労働省は推計しています。以下の図の通りです。


(資料:厚生労働省)
●人口比で最も「不安定な就労状態」の比率が高いのは佐賀県の4.3%
不安定な就労状態にある方は佐賀県の人口比4.3%が最も高く、富山県の1.8%が最も少なくなっています。
長期無業の方は、栃木県の人口比3.3%が最も高く、滋賀県の1.3%が最も少ないようになっています。
絶対数で言えば、首都圏や大阪、兵庫、愛知、福岡などが多くなっています。
総数は、不安定な就労状態にある方は54万人、長期無業の方は39万人。ひきこもりの方は人数が正確に把握できないようです。
どのような要因が支援対象者の比率に影響を及ぼしているのかは、詳しく分析してみなければわかりません。
仮説としては、求人倍率や失業率が挙げられるのでしょうか?どちらにせよ、支援対象者の分布には都道府県にばらつきがあり、特性に応じて対策も多少変わってくると考えられます。
●都道府県単位でどのような対策が求められるか
都道府県ごとに官民連携プラットフォームを形成し、対策を進めていく必要があります。

(資料:厚生労働省)
国としては、官が持つ公共性だけでは施策実効性を担保することは難しく、民間が持つ雇用の受け皿機能や、職業マッチング機能などと組み合わせて、官民協働により、施策を進めていく必要があると考えており、この実行部隊として、都道府県単位でのプラットフォームを作ることを求めています。
都道府県プラットフォームは、労働局や都道府県、市町村、就労支援機関のほか、経済団体などによって構成されます。これらプラットフォームにより、統合的に施策が推進されることになります。また、その方向性については「実施計画」が必要となり、愛知県や大阪府では、すでに策定され、総合的な施策推進が進められつつあります。

(愛知県は昨年10月に官民連携プラットフォームを設置し、本年2月に事業実施計画を策定した)
今後、どのような施策が都道府県プラットフォーム又は市町村プラットフォームにおいて考えられるのか。
考えていきたいと思います。
藤井哲也
就職氷河期世代支援と一概に言っても、いろいろな人がいます。
国では支援対象者を大きく3分類しています。一つ目の括りは不本意非正規歴が長い人。二つ目は長期無業状態にある方。三つ目はひきこもり状態にある方。それぞれの対象者にそれぞれの支援策を講じることになっています。
施策の実効性を高めるためには、都道府県単位での取組が求められます。そのため、都道府県ごとに官民連携のためのプラットフォーム(協議会のようなもの)が設立され、そこで実施計画を策定し、計画に沿って、支援策が講じられることになります。
都道府県単位でどの程度の支援対象者がいるのかも、厚生労働省は推計しています。以下の図の通りです。


(資料:厚生労働省)
●人口比で最も「不安定な就労状態」の比率が高いのは佐賀県の4.3%
不安定な就労状態にある方は佐賀県の人口比4.3%が最も高く、富山県の1.8%が最も少なくなっています。
長期無業の方は、栃木県の人口比3.3%が最も高く、滋賀県の1.3%が最も少ないようになっています。
絶対数で言えば、首都圏や大阪、兵庫、愛知、福岡などが多くなっています。
総数は、不安定な就労状態にある方は54万人、長期無業の方は39万人。ひきこもりの方は人数が正確に把握できないようです。
どのような要因が支援対象者の比率に影響を及ぼしているのかは、詳しく分析してみなければわかりません。
仮説としては、求人倍率や失業率が挙げられるのでしょうか?どちらにせよ、支援対象者の分布には都道府県にばらつきがあり、特性に応じて対策も多少変わってくると考えられます。
●都道府県単位でどのような対策が求められるか
都道府県ごとに官民連携プラットフォームを形成し、対策を進めていく必要があります。

(資料:厚生労働省)
国としては、官が持つ公共性だけでは施策実効性を担保することは難しく、民間が持つ雇用の受け皿機能や、職業マッチング機能などと組み合わせて、官民協働により、施策を進めていく必要があると考えており、この実行部隊として、都道府県単位でのプラットフォームを作ることを求めています。
都道府県プラットフォームは、労働局や都道府県、市町村、就労支援機関のほか、経済団体などによって構成されます。これらプラットフォームにより、統合的に施策が推進されることになります。また、その方向性については「実施計画」が必要となり、愛知県や大阪府では、すでに策定され、総合的な施策推進が進められつつあります。

(愛知県は昨年10月に官民連携プラットフォームを設置し、本年2月に事業実施計画を策定した)
今後、どのような施策が都道府県プラットフォーム又は市町村プラットフォームにおいて考えられるのか。
考えていきたいと思います。
藤井哲也
2020年03月17日
時事通信社「地方行政」に『自治体における就職氷河期世代支援の進め方」を寄稿しました
全国の地方行政担当者に見て頂けます!
3月16日発行の時事通信社発行「地方行政」に、『自治体における就職氷河期世代支援の進め方』を寄稿致しました。
東京滞在中に懇意にさせて頂いたPublic dots & Company さんにお声がけを頂き、大変貴重な機会を頂戴することになりました。
「地方行政」は時事通信社さんが発行されている媒体で、全国の行政関係者や議会関係者など政官の様々な方の手元に届く紙メディアです。就職氷河期世代支援がこの4月から国をあげて全国の自治体で開始されるのに合わせて、企画を担当されるパブリック社からお話を頂戴し、3回に分けて連載をさせて頂くことになりました。

1回目の記事は就職氷河期世代支援の概要について
3月16日が第1回目で就職氷河期世代支援の概要を書き、3月23日が第2回目で課題の取りまとめ、4月6日の第3回目が最終回で政策提言を社会にできればと考えております。既に全3回の記事は書いており、全体を通じて、就職氷河期世代支援の課題や検討すべき事項についてうまく整理できたのではないかと考えております。
ちなみに第1回目の記事では、これまでの就職氷河期世代向けの支援施策の成果や評価のほか、多くの自治体でも取り組みが始められている当該世代の職員採用について、その意義や課題があるとすればどのような点などを、宝塚市にご訪問して行った取材などをベースに構成しています。
就職氷河期世代支援に関しての寄稿や取材をお受けします
私は2003年から就職氷河期世代支援に取り組み続け、これまで就労支援や職業訓練校運営、求人開拓などに関わってきました。また自治体議員としての経験や、永田町・霞ヶ関関係の仕事にもついていたため、この問題の政策形成過程についてもよく理解しています。合わせて、企業経営も行ってきており、採用コンサルや社員教育の経験も踏まえて、自治体としてどのように就職氷河期世代支援に取り組むべきか、また企業にとってはどのような点に留意して氷河期世代を採用し戦力化するかも、アドバイスすることができると考えています。
就職氷河期世代に関しての寄稿や取材などの依頼がありましたら、tetsuyafujii@gmail.comまでご連絡を頂戴できましたら幸いです。
藤井哲也
2020年02月11日
就職氷河期世代の非正規ミドルを戦力化する 人事実務、マネジメント④〈月刊「人事実務」2019年12月号より〉
月刊「人事実務」に寄稿させて頂きました内容を分割掲載しています。
第1回目は、なぜ今、就職氷河期世代支援なのか、そして就職氷河期世代を採用戦力化することによる企業側のメリットを取り上げました。第2回目は国の動向や厚労省の見解を、第3回目は氷河期非正規ミドルの採用のあり方を取り上げてきました。そして最後の第4回目は、どのようにして非正規ミドルを戦力化するのかを取り上げます。
よく氷河期世代の採用に関しては話題に上がるのですが、どのように戦力化するのかが議論されていないように思われます。採用してもルーチンワークばかりの業務であれば、それは非正規労働と同じかもしれません。どのようにこの世代を育て上げ、所得や消費を高めていくことができるのかが本人にとっても、社会にとっても大事だと思われます。
✻ ✻ ✻
就職氷河期世代の非正規ミドルを戦力化する 人事実務、マネジメント④
藤井 哲也((株)パシオ 代表取締役)
6 非正規ミドルに対するマネジメント、キャリア支援、制度設計
採用したのはいいが、やはり重要な点は、その人材が早期に戦力として活躍してくれたり、組織になんらかの良い作用を与えてくれることである。そこでマネジメント、キャリア支援、制度設計などについてどうすればよいのか、Q&A方式で着眼点を提示したい。
Q 受け入れ環境はどうすればいい?
A 基本的なビジネスマナーなどは学んでいることが多い。職場内の人間関係に配慮を。
2003年当時、若年者が直面する厳しい就労環境に対応するため、「若者自立・挑戦プラン」が策定され、その中核的施策として各都道府県に若年者就業支援センター(ジョブカフェなど)が設置された。その後、取り組まれた基金訓練や求職者訓練制度などの公的職業訓練の民間委託事業も含めて一連の施策に筆者(藤井哲也)も関わってきたので、現場のことはよく理解できているつもりである。就職氷河期世代においては、総じて基本的なビジネスマナーや業務上必要なコミュニケーション、ITリテラシーは一定習得していると考えて良い。
その上で企業が受入れ段階で気を付けるべきポイントは、職場内での人間関係にある。企業の年齢構成や職場風土にもよるが、ひとりだけポツンと就職氷河期世代の非正規ミドルが入れば、きっと浮いた存在になってしまう。特に平均年齢が若い職場にあっては、上司や人事労務担当者が適宜フォローアップを行うなど、職場環境や人間関係に早期に馴染めるように注意していく必要が出てくる。
また正規雇用労働者として企業の中核的業務に関わってきた経験が少ないことから、専門用語やビジネス上のICTツールに対して若干ハードルを感じることもあるだろう。そうした場合は、暗黙知で理解しあえていた状態から、誰もが分かりやすい状態に移行するタイミング(好機)と捉えて、人事労務の立場からも現場に対して支援が望まれてくる。
Q マネジメント上、上司や管理職はどのように対応すればよい?
A メンターには就職氷河期の同世代を。必要に応じて目標設定等の調整を。
「就職氷河期世代だから、このようなマネジメントが必要」というものは特段ない。非正規ミドルの戦力化にかかわらず、マネジメント力の向上は求められる。
とはいえ確かにソーシャルサポートの観点からは、入社後、孤立感などを覚える非正規ミドルが居れば、適切なメンタルケアやソーシャルサポートが必要になってくる。特に同世代の話し相手やメンターがいれば対象者も精神的に安定した状態で就労していけるだろう。
また、自己効力感が目に見えて低い場合は、マネジャーに求められる「ジョブアサイン(組織として達成すべき目標を踏まえ、部下に行わせる職務を具体化したうえで割り振り、その職務を達成するまで支援すること)」 において、目標設定や職務分担を最初は低めに設定し、達成支援においてもモニタリングや介入を注意深く行うなどの対策を講じなければならない。
Q 成長支援のためになにをすればよい?
A 小さくても成功体験が必要。フィードバックと内省支援が重要。
「人は年を重ねるほど向上心が落ちていくもの」という考えを時々耳にするが、実際はどうなのだろうか。筆者(藤井哲也)はそうした考え方に違和感を覚えている。20歳から45歳までの方を対象として筆者が行った調査結果に基づくと、加齢による向上心や学習姿勢の低下はほとんど見られなかった。確かに脳の認知力という点では加齢による能力低下傾向が見られるようだが、それは60歳を超えてからの話 であり、氷河期世代の40歳前後の方たちはまだまだ成長していける年齢にあると考える。

資料出所:筆者が2018年に調査委託し実施して得たデータを用いて作成
(「経験学習基盤」の概念は楠見孝氏の先行研究に従った)
さて、正社員希望の非正規ミドルについては、先にも触れてきたとおり、仕事上の成功体験をあまり積めていないように思われる。そのため自信を失い、自己効力感が低下し、行動の幅を自ら狭めているように考えられるが、組織や上司の役割としては、小さくてもいいので、本人が成功体験を積み重ねていけるように支援することが重要である。
その上で、「経験学習モデル」 に従って考えると、失敗も含めた様々な仕事上の経験を、組織として、または上司が適切にフィードバックしていき、内省機会を研修や自己啓発の中で得られるように努めることで、経験をスキル化していくことができる。スキルが高まり、それを自分自身が実感できるようになっていくことで、さらに自己効力感は高まり、少し高い目標にチャレンジしようとしたり、さらに学習意欲が増していくことになる。

資料出所:中原淳(2013)「経験学習の理論的系譜と研究動向」『日本労働研究雑誌 2013年10月号(No.639)』6頁を基に筆者が作成
半期に一度の評価面談ではなく、人事考課には反映しない、双方向性のあるリアルタイムフィードバック面談(1on1)の実施や、アクションラーニング研修の継続的な実施、どのようなことにチャレンジしたいのか(仕事上のこと、仕事外のことも含めて)を把握し、それを後押ししてく風土形成や施策など、最近の社員教育トレンドを加味した、自社なりの成長支援のあり方をぜひ検討して頂きたい。
Q キャリアアップに役立つ助成金はあるの?
A 就職氷河期世代支援策として助成金制度が拡充される。
詳細は厚労省ホームページなどをご覧いただきたいが、助成金の概要は次の通りである。
〇【従来から拡充】キャリアアップ助成金:非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する制度。有期契約社員を正規転換した場合は、57万円~72万円(中小企業は42万7500円~54万円)など。
〇【従来から拡充】人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金):非正規雇用労働者が正規社員に転換することを目的に企業内OJTと教育訓練機関等での座学を組み合わせた雇用型訓練を実施する事業者に対して、訓練経費や期間中の賃金の一部を助成する制度。今回、3か月以上6か月以下としていた訓練期間を、氷河期世代活躍支援にあわせて2か月以上6か月以下に変更した。
Q 賃金制度、評価制度で工夫すべきことは?
A 評価制度に馴染みない人もいる。まずは制度理解を図る必要がある。
そもそも正規雇用形態で就労した経験がなかった場合、評価制度の枠内で働いたことがないかもしれない。派遣社員やアルバイト、パート、契約社員では、職務に対する適切な評価というよりも離職予防・定着促進の観点から、時給当たり数十円単位で昇給することが多いのが実態であろう。また正規雇用形態で働いた経験があったとしても、短期間で離職していたり、賃金等級や評価制度がない企業で働いていることも考えられる。評価制度そのものを氷河期世代向けに合わせる必要性は特段ないように考えられるが、制度の趣旨や内容をあらかじめ対象者に理解した上で就労できるように、人事労務担当者からの比較的丁寧な説明が求められるのではないだろうか。
非正規ミドルにとっては、きっちりした等級制度、評価制度を経験し、窮屈さを覚える人もいるかもしれない。制度に慣れるまでは半期~1年程は人事労務または現場の裁量で柔軟に評価制度を運用していくことも考えられよう。
Q 労働時間や働き方について留意すべきことは?
A 働き方改革の意義を対象者自身にしっかり理解させつつ、新たな制度導入の検討も。
プライベートなどを大切にしたいと思い、自分の都合で入りたい時にシフトを入れるという手軽さを非正規雇用労働者のメリットとして捉えて、敢えて非正規を続けてきた人も一定見られる。また入社後も、これまで自分が続けてきた個人事業主的な仕事を副業として続けたいという想いをもった人もいると考えられる。
自律的に働いてもらわねば本人のキャリア形成も進まず、また組織にとっても生産性向上にはつながらないので、人事労務の立場から様々な検討が必要となってくる。
すでにフレックスタイム制度や変形労働時間制度を導入していれば、その実効性が確保されるように組織に浸透していかねばならない。(制度上15時で帰ってもいいことになっていても、実際には帰りづらく機能していない職場はたくさんある。)また有給休暇についても試用期間中から認めたり、積立休暇制度を充実する先進事例が出てきているので企業規模に即して今後参考にしていきたい。
雇用類似の働き方やテレワークに関してもまさに現在、政府で法制度の見直し検討が進められているが、近い将来、多様な雇用形態(雇用類似形態も含む)が混在した働き方が都心部から普及・一般化していくものと考えられる。就職氷河期世代の活用に限らず、企業には副業や兼業、もしくはテレワークや業務委託など企業内で混在する働き方を想定して、どのように対応すべきかの検討が求められてくるはずである。
一方、2000年前後に初職を迎えた当該世代は、リストラの嵐が吹き荒れ、成果主義制度が普及して、いまでいうブラック職場を若手時代に経験してきた人も多い。筆者(藤井哲也)もそうした職場を数多く見てきた。そうした点で言えば、「正社員は長時間労働をすることが当たり前」という固定観念を持っている人も多くいるように思われる。働き方改革が急速に進む現在の職場環境にあって、まるっきり違う環境に戸惑いを覚えることもあるだろう。ある種の生ぬるさを感じてしまうこともあるのではないだろうか。
万一、「サービス残業当たり前!」という非正規ミドルが職場に入ってきた場合、昨今の働き方改革推進を阻害しないように注意が必要である。非正規ミドル自体にも働き方改革の意義をよく理解することが求められるし、マネジメント側も「見せかけの勤勉」 を生むような情意評価を排し、出口評価(成果評価)の心掛けを持つ必要がある。近年、注目を浴びている、OKR(Objectives and Key Results)の考え方は、自己決定感や有意味感の点から、氷河期世代の内発的動機付けを喚起する施策として有効でないかと考えている。
Q どのように戦力化していくべきか?
A なぜ採用するのかを明確にし、ダイバーシティ・マネジメントを行う
採用した非正規ミドルの成長支援を図り、戦力化していくことはいうまでもないが、人事労務担当者が取り組むべき事柄として、ダイバーシティ・マネジメントに触れたい。
多様な人材を活用すれば、ダイバーシティが実現し、生産性向上やイノベーション創出につなげられると考えていれば間違いである。ダイバーシティ・マネジメントに詳しい尾崎俊哉氏は「より本質的な課題は、組織として、これまでの仕事の進め方を見直し、新たな仕事の進め方を策定することと連動した、多様な能力の活用を実現できるかどうかである。仕事のモジュール化や標準化、自社でやるべき仕事と社外のリソースを活用して進めるべき仕事との見極め、そのうえで新たな価値連鎖にもとづいた仕事の進め方と、それぞれの職務内容の明文化、それにより求められる能力の定義、などが同時におこなわれなくてはならない」 と述べる。
単に多様な人材をつなぎあわせるだけでは価値創造も企業成長にもつながらない。逆にダイバーシティは非効率であるので、企業の停滞に結びつきかねない。就職氷河期世代の活用にしろ、女性活躍や障害者支援にしても必要なのは、彼らを活かす仕組みがあり、現場の上司や管理職がハブになれるかどうかである。また大前提として、なぜ多様性を採用しようとするのかも、自社のダイバーシティ・マネジメントの基軸を設定する点から、あらかじめ明確にしておくことが大切である。(*「人事実務」2019年8月号に尾崎俊哉氏が「経営視点からみたダイバーシティ・マネジメントの意義」を寄稿されているのでご参照頂きたい)
Q 非正規ミドルの長期就労と高齢化に向けて心掛けることは?
A 老後の生活基盤を築けるような制度や支援こそが、長期就労につながる
35歳~44歳で、「長期にわたり不安定な就労状態にある方」は、厚労省推計によると54万1700人 であり、相当の潜在的求職者が労働市場にいることになる。非正規ミドルは現下の人手不足を解消する一助となるはずである。ぜひ採用し育成・戦力化に取り組んで頂きたいが、できるならば長期的な視点で組織への貢献も期待していきたい。
その際、決定的に重要なのは、本人の成長意欲と就労意欲に尽きるが、人事労務担当者としては組織や仕事へのコミットメント、エンゲージメントを高めるべく、採用段階から非正規ミドル当事者の背景や思いも念頭において取り組んで頂きたい。
何度か触れているが、非正規ミドルは本当に低所得・低貯金(無貯金世帯の割合も増えてきている )で生活してきた。いま一番不安なのは、働けなくなった時のことである。それは老後のことかもしれないし、急な傷病に襲われる時かもしれない。
企業として非正規ミドルにできる限り中長期の就労、組織への貢献を求めるのであれば(もちろん求職者側もそれを望んで事が多く、そうした職場で働きたい)、貯蓄に回せるだけの給与水準、社会保障等の福利厚生面の充実、そしてキャリア成長の機会提供などが重要な要素となる。もはや終身雇用制度は瓦解している中で、将来的な雇用保障は難しい実情があるが、非正規ミドルにとってはそうした要素は恐らく他世代よりも重視する傾向があるのではないだろうか。
また年齢的にも子どもがいることも想定しておきたい。筆者(藤井哲也)が経験したケースでは、ひとり親や生活困窮世帯で傍目から大変な状況であったとしても、彼ら彼女らは弱音を吐くことはなかなかない。一人ひとりの就労や生活背景を把握することができるならば、非正規ミドルと企業にとって中長期にわたってWin・Winの関係を築けるはずである。
7 むすび
ここまで、採用や人事制度などの人事実務や、現場のマネジメントにおける着眼点を取り上げてきた。
しかし、施策としては緒に就いたばかりで知見は社会全体であまり蓄積されていない。次に取り上げられる山九(株)のような、氷河期世代に特化した採用・戦力化事例や、今後新たに取り組む企業・団体による個別具体的な施策検証などが進められ、それが社会に広く還元されることで、就職氷河期世代の一層の活躍推進につながるはずである。
筆者も引き続きこの問題を産官学の各方面においてモニタリングし、知見の共有を積極的に行っていきたいと考えている。
(以 上)
【プロフィール】
藤井哲也(ふじい・てつや)
1978年生まれ。京都大学公共政策大学院修了。日本労務学会所属。2001年大学卒業後、大手人材派遣会社に就職。2003年に会社設立し代表取締役に就任。有料職業紹介事業、公共職業訓練委託運営事業、若年者就労支援事業などを手広く担う。地方議員を経て、現在、大手IT企業の政策渉外担当や、オープン・イノベーション推進に取り組む社団法人の役員なども兼ねる。著書・寄稿に「効果的なリテンションの進め方」(人事実務2017年4月)、「その会社、入ってはいけません!」(ソシム2011年)、「フリーターっていいの?悪いの?」(ジャパン総研2005年)など。
藤井哲也